第12話 騎乗モンスター ラマ・パコス
馬小屋へ行くと――
「ああ、ラマ・パコスか」
……と、俺が納得していると、隣にいるフルクはぷるぷる震えていた。なんだろう、口元を両手で押さえ、顔も赤いような。
「か、可愛いです。ふわふわのもこもこで」
そうだな、馬っぽいが別種だ。どちらかといえばラクダ系。ラクダがもこもこになったモンスターだ。なので、通常モンスターとしてもフィールドを駆け巡っている。この馬小屋にいるのは、テイムされたヤツだな。
「よし、コイツを借りていこう。名前はフェルスか」
首輪に名が刻まれていた。
「フェルスちゃんですね。よろしくお願いしますね」
なんだか楽しそうにフルクは、フェルスに触れた。すると、フェルスは従順に……あれ。もしかしてオスなのか?
フェルスに乗ると、思った以上に乗り心地が良かった。素早く、振り落とされる心配のない安定感。馬よりも早いぞこれ。
「これ程の名馬……いや、名ラマ・パコスは初めてだ。ウチに欲しいくらいだ」
『……スンスン!』
フェルスもそうしろと言っているようだった。
ほう、コイツは人間の言葉が分かるのか。
「分かった。この要件が終わったらメディケさんに聞いてみる」
そう俺が言うと、フェルスは満足気に速度を上げた。へえ、コイツは予想以上に従順だな。良い子だ。
さあ、向かおう……グラティア辺境伯の元へ。
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