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春もさみしい
人との縁は星の数ほど
時代が変われば
恋愛の常識も変わる
仕事をする君の横顔を
邪魔しないように眺める
お互いに視線を交わすことはない
でも君の心の暖かみを感じる
二人のあいだに吹く風のせいではない
君の吐息に女神の息吹がほんのりと混じっているのだろうか
本当はできれば
君の身体の香りを近くに感じてみたいけれど
君が望まない限りぼくはなにも願わない
君の熱い声を聞いてみたいけれど
やっぱりそれも望まない
ただなんとなく同じ場所に立って
同じ目標に向って神に祈れるのなら
それでいい
絶対に求めない
手に触れてみたいけれど
好きと言ってもらいたいけれど
野に咲く花の多くは
愛されることもなく
愛でられることもなく
待つこともなく
それを考えると残念だけど
春も少し寂しい
会えぬ君と
上京の町の
春寂し