7.お目覚めチャールズ
「本日の紅茶はチャールズですよ〜。」
ハイドが目覚ましに渡してきた紅茶の名前はチャールズ。
前世で言うアールグレイだ。
アールグレイのアールは伯爵を意味し、グレイはアールグレイを作り出したチャールズ・グレイ伯爵から来ている。
つまり、この世界のチャールズはアールグレイと全く一緒なのだ。
(全く違う世界なのにアールグレイの名前がチャールズな時点で、ゲーム確定だなぁ)
ミルクを追加してもらいながらふと思う。
「今日のドレスは如何なさいますか〜?」
パールは青い髪に白い肌を持っている美少女である。
残念ながらあまりピンクや黄色が似合わない。
(26歳になった今、むしろピンクとかは恥ずかしいから助かったわ……)
「白がいいわ!腰のリボンが水色に白の刺繍の!」
「はい、かしこまりました〜。」
首元から胸元までのレースと、薄水色の大きなリボンが特徴の少し5歳にしては大人びたドレスに貝殻をもしたアクアマリンの髪飾りを付けて完成になった。
前世ではショートヘアだったため、一切しなかった編み込みに感動する。
「いつもありがとう、ハイド」
振り返るといつもの笑顔のハイドが迎えてくれた。
「それでは朝食に向かいましょうか〜。
それともまだ紅茶飲まれます?」
「お腹がいっぱいになってしまうから大丈夫よ。
早くみんなに元気な姿見せなくちゃ!」
昨日のパーティーさ先に休ませてもらったので
両親と姉たちは心配を少なからずしているだろう。
一番乗りにダイニングについて迎えることに決めた。
「分かりました〜。それでは行きましょう〜。」
ハイドに連れられてダイニングへ向かう。
その時私はまだ知らなかった。
ダイニングには既に1人席につかれていた事を。