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転生人魚は歌を歌いたい  作者: 笹葉菜
4/12

4.聞き覚えのある名前

目が覚めた夜は家族総出のパーティとなった。


泣きながら謝る父と、安堵で泣く母。

同じく心配しすぎて泣く5人のお姉様達。


(いや、泣き虫しかおらんのかい。)


と、自分の中の海優がツっこむ。


何はともあれ、まだ海優として死んだことは

受け入れきれてはいないけれど、

こちらの家族がこんなに愛してくれていることは幸せだ。


(とはいえ、あっちの世界にはもう家族はいないし、恋人なんていないし。)


母は幼い頃になくなり、男でひとつで大事にしてくれていた父は、私がデビューした年に病で亡くなった。


(ファンがいてくれたのが心残りだなぁ……)


あと、マネージャーの三島さん。

と、考えていると、ハイドが近づいてきた。


「お嬢様お疲れでしょう。お部屋に戻られますか?」


久しぶりに起き上がったから疲れているだろうと考えてくれたのだろう。

私はハイドの優しさに甘えてパーティを退席する事にした。

家族みんなもそれを理解してくれて、

主役のいなくなったパーティは程なく解散されたらしい。


寝る支度をハイドによって済まされた私は、

少し力を入れてベッドによじのぼる。

優雅じゃないなぁ。


「はい、お嬢様。ホットミルクでございますよ〜。」

「ハイド、ありがとう。」


貝殻のようなカップを受け取り、ホットミルクをゆっくり口に含む。


「明日はお久しぶりにフィリップ様が起こしになられますからね。少ししんどいでしょうが、お早めに起こしに参ります。」


「あら、フィリップ様が来られる日だったのね。わかったわ。」


パールとしてフィリップ様を受け入れる反面、

海優が違和感を感じていた。


フィリップ・エル・ダー・プリンツ。

この国の王子であり、パールと幼馴染みである。


(パール、フィリップ、、、パールとしてではなく、海優として私はこのふたりを聞いたことがある……?)


考えるも、幼い脳には負荷が大きかったようで、

ホットミルクの効果も相まって私はすぐ眠りについてしまった。

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