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逆さ虹の森〜狐菜が書いた場合〜

作者: 狐菜

初投稿なのでつたない文章ですが、楽しんで頂けると幸いです!


昔々、珍しい虹がかかる森がありました。それは、立派だけれど逆さな虹なのです。そんな森はいつしか『逆さ虹の森』と呼ばれるようになりました。

そんな『逆さ虹の森』に、お婆ちゃんと二人で小屋に住んでいる少女がおつかいをするようです。

少しだけ、のぞいてみましょう。


「ルル、この薬をコマドリさんへ届けてくれるかい?」


そう言ってお婆ちゃんが薬の入った鞄お差し出しました。


「もちろんよ、お婆ちゃん。でも、コマドリさんに何かあったの?」

「おや。知らなかったのかい?重い病気にかかってしまったらしいの。ただ、この薬でも病気を治すことは出来ないの。あの病気に特効薬はないから…またあの美しい歌を聴かせて欲しいねぇ」

「それは大変だわ!届けてくる!」

「あぁそうだ、コマドリさんの家は根っこ広場を通った後、川を渡った所だよ。詳しくは森の動物に聞いて行きなさいな」

「了解!いってきまーす!」


ルルちゃんはトコトコ歩いていると、リスさんと出会いました。


「あっ!ルル久しぶりー」

「リスさん久しぶり!」

「あっ!何あれ!」

「ええ!?どれどれ?ってリスさん?ええ!?どこ行ったの?」


リスさんは空を指差しましたが、空を見上げても、空はただただ青いだけで何もありません。ルルちゃんがリスさんに視線を戻してみると、そこにリスさんはいません。一体どこへ行ったのでしょう?


「私はここだよ!」

「わぁ!びっくりさせないでよぉ〜」


なんと、リスさんはルルちゃんの鞄から顔を出しています。


「ふふ、ごめんごめん。ついルルの反応が面白いから。」

「もぉ〜」

「ふふふ。ルルはおつかい?」

「そうだよ。コマドリさんが病気にかかってしまったらしいの。だからお薬を届けに行くの」

「そっか……私も一緒にいくよ!」

「ありがとう」


ルルちゃんはリスさんとお話ししながら歩いていました。

すると、木のかげにクマさんがいます。


「ねぇクマさん、そこで何をしているの?」

「わっ!?ルルちゃん達こそ何してるの?」

「私達は今からコマドリさんにお薬を届けに行くところだよ。」

「そうなの?だったら僕も一緒に行かせてよ」


なんでも、クマさんもコマドリさんへ病気を抑える効果の木の実お届けに行こうとしたらしい。でも、根っこ広場の方から大きな鈍い音がしたのが怖くなってここで怯えてたらしいのだ。

そんなわけで、一人と二匹でとうとう根っこ広場に到着した。


すると、キツネさんとアライグマさんがじゃれ合っていた……ように見えるが、アライグマさんの方は本気で抵抗しているらしい。でもキツネさんが見事に押さえつけているのでアライグマさんがじゃれているようにしか見えない。


「キツネさんとアライグマさんこんにちは!そんなところで何をしているの?」

「あっ、ルルちゃんこんにちは。実はねアライグマのやつ、木に登って遊んでる途中で乗ってた枝が折れたちゃって木から落ちたんだ。」

「………落ちてない」


(絶対嘘だ…)

ルルちゃん達は顔を見合わせて、みんな同じことを思ったことを知りました。

そんな時、アライグマさんのすぐそばにあった根っこがニョキッっと伸びてきてアライグマさんに巻き付きました。


「フフッ!アハハハ!ほらほら、アライグマ。嘘なんて付くから根っこが巻き付いてるぞ!」

「笑い過ぎだろうが!!う〜……分かったよ!認めるよ、俺は落ちたんだよ……」


アライグマさんは、木から落ちたのが恥ずかしいらしくそっぽを向いている。

どうやら、クマさんが聞いた鈍い音の正体はアライグマさんが木から落ちた音らしかった。

アライグマさんが落ちたのを認めると、スルスルと根っこが元どおりになった


「そうだルルちゃん達、こいつが足に少し怪我をしたからドングリ池のあたりに生えている薬草を取ってきてくれないか?こいつは怪我してるから一人にするわけには行かないんだ。それに見張ってないと勝手にどっかに行くからな」

「もちろんよ!」


ドングリ池は水の綺麗な池です。すぐ近くなのでルルちゃん達は引き受けることにしました。池に到着してすぐに薬草を探し始めたのだか、一向に見つかりません。


「全然ないねー」

「そうね、あっこれじゃない?」

「ルル、残念ながらそれは薬草じゃなくて普通の草よ。」

「そっかー」

「あっー!!あった!リスさん、これであってるよね?」

「そうだよ!よく見つけれたね、私は見つけられなかったのに。」

「わたしもよー、全く見つからないわ。だからクマさんすごいわ!」

「あはは、ありがとう」


そして、キツネさんとアライグマさんの元に戻ってきました。


「おーい!キツネさん、とってきたよ!」

「ありがとう、お礼にこの《不思議などんぐり》をあげるよ。さっき森で拾ったんだ。」

「ありがとう」


ルルちゃん達がもらったのは、虹色に輝く不思議などんぐりでした。


「さてアライグマ、薬草を塗るから暴れるなよ?」

「…………分かった」


普段は暴れん坊なアライグマさんも面倒見のいい親友の前では大人しいようです。

そろそろルルちゃん達が出発しようといた時、「ちょっと待って」と呼び止められたました。キツネさんが何かをふと思い出したみたいですです。


「そうだった…ルルちゃん、言い忘れてたけど俺もこいつを家に送ってからコマドリさんに果物を渡しに行くからまた後で」

「そうだったのね、また後で」


さて、後は川を渡ってコマドリさんのところに行くだけだ!


「ルル、川があそこにみえるわ!」

「本当だ!いつ見ても綺麗な川ね」

「そうだね、この森の自慢の川だよね」

「この川のもう少し上流にコマドリさんの家に近い橋があったはずよ」


やがて、少し歩いていると橋が見えてきました。しかし、いつもと橋の様子が違うようです。いつもはあまり誰もいないような所なのに大勢が集まっています。


「何かあったのかしら?リスさんとクマさんは何か知っている?」

「知らないわ」

「僕も知らないよ」

「うーん…誰かに聞いた方がいいわよね」


丁度そこでヘビさんがいたので聞いてみることになりました。


「ねぇヘビさん、橋で何かあったの?」

「あ、ルルちゃんたち、一昨日橋の一部が壊れちゃったらしいよ。だから今は修理中だってー。明日には使えるようになるらしいよー」

「そんなっ!コマドリさんにお薬を届けないと行けないのに……」


下流にある村に行けば橋がもう一つあります。けれど、その村の橋を経由すると往復で4日もかかることになります。遅くなるとお婆さんが心配します。


「クマさんとリスさん、どうしよう?」

「ルル、いったんお婆さんに相談した方がいいと思うよ」

「僕もそう思う」

「じゃあそうしましょう」


さっき通った道を歩いていると、根っこ広場を少し過ぎたあたりでキツネさんと再会しました。


「あれ?ルルちゃん達はコマドリさんの家に行ったんじゃなかったの?」

「あのね、橋が落ちて通れなくなってたの。だからいったんお婆ちゃんに相談しようってなったのよ」

「そうだったの!?」

「うん、お薬届けるのがかなり遅くなっちゃう……」

「だったらさ、せめてドングリ池でお願いして行こうよ」

「そうね!でも、この時期にどんぐりは落ちていないわ…」

「うーん…じゃあ、僕があげた不思議などんぐりを投げ入れたらどう?あれも一応どんぐりっぽいし!」

「そうね!」


ドングリ池はどんぐりを投げ入れてお願い事をすると叶うという噂があるのです。

池へはすぐに着きました。


「ついたー!ルル、どんぐりを投げ入れて!」

「はーい。えいっ!」


ポチャン!


((コマドリさんの病気が早く治りますように!!))


目をつぶってお願い事をしてから顔を上げると、そこには驚くべき光景がありました………

なんと、池が虹色に輝いていたのです。見間違いかと思ってルルちゃん達は何度も瞬きしましたが、そこにはやはり虹色に輝く池がありました。しかも、水面に映る虹は逆さまでした。


「すごい……きれいだわ…逆さ虹ってこれのことだったのね」

「空の虹が水面に映って逆さ虹になってるんだ……」

「でも、普通はこんなこと起こらないのになんでだろう?」

「いつもと違う事っていったらどんぐりぐらいだよな。あのどんぐりって実は凄いものだったのかも知れないな」


ルルちゃん達はしばらく逆さ虹に見とれていました。


「そういえばルル、“ドングリ池の伝説”って知ってる?」

「なにそれ?知らないわ」

「懐かしいな。俺も昔、母さんからその話を聞いたよ」

「僕もだよ」

「えっ!もしかして有名?」

「うーん……森に住む動物にはそこそこ有名かな?」

「じゃあ教えて!」

「いいわよ」


昔々、この森にいた妖精に愛された1人の少女が動物や妖精と楽しく暮らしていました。

しかし、ある日突然少女が重い病にかかってしまいます。

心配した妖精は、どんな病にも効く薬を作ることにました。

薬に必要なのは、聖水とレーラの花弁です。レーラの花弁は妖精の力ですぐに見つける事ができたのですが、聖水は見つけられません。

聖水について詳しいことは分かっていないのですが、とても珍しい綺麗な水だと言われています。森にも綺麗な川はあるのですが、聖水と言える程の美しさはありませんでした。

困った妖精達は、探すのを諦めて、池を浄化して聖水を創り出すことにし、その聖水と花弁で完成した薬で、少女の病気を治す事が出来ました。

めでたしめでたし。


「という話よ」

「…もしかして、その池って……」

「そうよ、それが今のドングリ池だと言われているわ」

「じゃあ、その薬を作ればコマドリさんの病気を完全に治せるかも……」

「やってみる価値はあるけど、レーラの花は珍しいから見つけられるかしら……それに、もしあったとしてもその薬のレシピは一部の存在しか知らないらしいわよ」

「お婆ちゃんに相談してみよ!知ってるかもしれない」

「そうね!早速ルル達の家へいきましょ!」

「あっ!池の水をくんでいくの忘れてる」


水をすくった後ルルちゃん達の家に向かってルルちゃん、リスさん、クマさん、キツネさんの一人と三匹で出発すると、家へは近いので、あっという間に到着しました。


「お婆ちゃん!ただいま!」

「おや?ルル達、早かったのねぇ。」

「違うのよ、」


これまでのことを簡単に説明すると、お婆さんは驚きました。


「なるほどね、修理中じゃあ仕方がないね。それにしても、伝説の薬……もとい秘薬をまた作る事になるとは、人生なにがあるか分からないわねぇ……」

「?……()()?もしかして、お婆ちゃんは作った事があるの?」

「昔ね、大きな街に居た時に頼まれた事があったんだよ。聖水は珍しいからもう作る事は無いかと思っていたけどねぇ」

「聖水()??ってことはレーラの花弁は持っているの?」

「えぇ、昔作った時の余りがね。一応ドライフラワーにしておいてよかったよ」


ルルちゃん達は、お婆ちゃんにたくさん驚かされました。


「じゃあ私が秘薬を作っておくから、明日みんなで届けておくれ」

「ありがとう!」

「みんなバイバイ!また明日ね!」

「「「バイバーイ」」」



☆★☆★☆★



翌日、ルルちゃん達はみんなで完成した秘薬をコマドリさんの家へ何事もなく届けれました。

秘薬によってコマドリさんも順調に回復していったそうです。


元気になったコマドリさんは、今もみんなと歌ったりして楽しく暮らしているようです。



読んで下さった方ありがとうございました!

アドバイスやミスの報告、(点は低くても良いので)ポイント評価してもらえると嬉しいです!



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