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05話 初心者向け講習 座学



 イーリスは教科書(テキスト)を抱えて、ギルドの二階の廊下を歩く。


 初心者向け講習の講師のお仕事だ。この仕事はギルド員からの人気があまりない。


 冒険者ギルドでは、ギルド員の能力向上の為に多くの講習が開かれている。その講師として現役のギルド員が務めるのは良くある話しだ。

 自分の商売のタネである、高度な知識と知恵を教える事を嫌がる者もいるため、それらの抗議の報酬は総じて高い。

 その報酬の高さと、人に教える仕事が好きな者もいるため、特定の人種にとっては人気の仕事でもある。


 しかし、何事にも例外は存在する。


 その例外が、この、Eランクになったばかりの者を対象とした初心者向け講習だ。


 ものになるかどうかわららない、Eランクになりたての者の面倒を見る。という、ある意味での罰ゲームだ。


 FランクとEランクの違いが分からず、粗暴に振る舞う者も多いという。この講師はFランクでは功績を残せたが、これから先Eランクとしてやっていけるかを見極める、ふるいの役割もある。

 その結果Eランクとしてやっていけないと見なされ、Fランクに落とされた者が、講師を務めた者を逆恨みする事がある。


 しかも拘束時間が長いわりには、報酬が安い。


 不人気になるのは当然だが、引退を考えているギルド員の中には、ギルド職員になる為に積極的に引き受ける者もいる。

 しかし今はそのような者はいないそうだ。


 結果として、イーリスのようなペナルティを受けたギルド員が強制的に受ける事になる。タダ働きでは無いことが唯一の慰めだ。


 イーリスのペナルティは今回の講師で終了だ。今まで数回は講師を仕事を行ったが、半数は問題児がいた。


「せっかくの最後だし、今回は居ないでくれると嬉しいんすがねー……」


 イーリスはつぶやき、講義室のドアを開ける。

 教壇に立ち、狭い講義室にいる今回の生徒達を見る。この講義室は十人も生徒がいれば一杯になる。今回の生徒の人数は四人。少なめの人数だ。


 端から順に見回す。


 一人目は、黒髪の女の子。傍らの杖から見ると魔法使いだろう。

 二人目は、短い金髪の男の子だ。皮鎧に身を包み、腰の剣からすると剣士だろう。

 三人目は、赤い髪の女の子。この子も傍らに杖を置いてある。この子も魔法使いだろう。

 四人目は……。


 ――……いや、きっと気の所為っすね。


 全員年の頃は十三歳から十五歳位だろう。この年頃でEランクになれるなら、将来は有望とされる。


 まあ、彼ら三人目まではいいのだ。


 イーリスはきっと気の所為だと思った最後の四人目に、軽く手を挙げて挨拶をされてしまった。

 そうなると、気の所為だと言ってられない。


 イーリスは四人目の眼前まで迫ると小声で怒鳴るという器用な事をした。


「なんでこんな所に居るんすかっ?! テオさん?! ここは初心者向け講習っすよ!?」


 四人目であるテオは、身をのげぞらす。


「いや、なんでって……。俺もその初心者なんだが?」

「え……? ……あっ」


 半眼で睨んで言い返すと、イーリスは戸惑った後、声を上げた。

 テオはため息を付く。


「あのなぁ……。俺はギルマスに会った時に、Eランクになったばっかりだって言ってただろう?」

「いや、そんな話もしてた気がするっすけど……」


 ふと言葉を切らして、テオの姿を上から下に見やった。


 テオの事を気の所為だと思ったのは、彼が鎧を着込んでいたからだ。

 Eランクに相応の革鎧だが、ジョブで言う所の戦士が着込んでいるしっかりとした鎧だ。鎧ばかりではなく手甲と脚甲も身に着け、丈夫そうなブーツで足元を固めている。

 近接用の武器である短剣が彼の腰に存在している。だが、実戦で使う事はないだろうと容易に想像がつく。そもそも彼は接近戦などする必要がないし、その技能も持ち合わせていない。

 テオの戦い方は魔法使いの方が近いのだ。


 イーリスにとって彼の姿と言えば、鎧もない服だけの軽装姿が頭にあった。なのに鎧を着込んでいては、印象が一致しなくとも無理はない。


「なんでテオさんが鎧を着てるんすか? 鎧なんか着る必要があるんすか?」


 防具が必要なる程に敵が接近してくる前にアイテムボックスの中に叩き込んでいるのはではないかと言外に問う。


「不意打ち対策だよ。防御を固めるのは基本だろう? なんせ初心者なんだ。らしいだろう?」

「いや、テオさんが初心者っておかしくないっすか?」


 ドラゴンキラーという偉業を達成した、二つ名持ちの初心者。

 やっぱりどう考えてもおかしい気がする。


「どう思おうが、俺がEランクになったばかりの、初心者向け講習の必要な初心者である事は変わりないんだが?」

「いや、それはそう……っすけど……」


 イーリスはどうにもモヤモヤする感情を飲み込めない。


「ま、ともかく、他の人が待ってる。さっさと講習を初めてくれないか? 先生?」


 生徒の好奇の視線が集まっている事を目線で示し、テオは揶揄するように彼女を促す。

 その笑いを含んだ言い方に、イーリスは少しムッとした。しかし気を取り直しして教壇に戻る。


 他の生徒達からの視線に、イーリスは一つ咳払いをすると講習を始める。


「コホン。私はEランク冒険者のイーリスといいます。今回は皆さんの初心者向け講習の講師を担当する事になりました。


 しっかりと聞いて、Eランクはもとより、ギルド員として相応しい行動を取れるようにしてください。

 Fランク――ただのゴロツキ、ただの食い詰め者とはもう違うと言う事をしっかりと認識してくださいね。Fランクの時と違い、ギルドからの制裁は厳しいモノになっていますから」


 定番の軽い脅しから、イーリスはEランクについてから説明を行なう。


 Eランクから初めて冒険者ギルドから正式なギルド員として認められる事。

 その為、厳しい規律を守る事が求められる事。

 素行が悪ければ、Fランクへの降格並びにブラックリスト入りもあり得る事。

 そうなった場合、二度とEランク――つまり正式なギルド員にはなれないので、素行には得に注意する事。


 EランクはFランクに比べて、選べる仕事の種類が一気に増える。

 討伐、採取、調査、護衛、その他細々とした依頼がある。

 それらを成功させて行く事によって評価を高め、さらなるランクアップにつながる。

 高いランクであるほど高難易度の依頼を受ける事になるが、その分報酬は良くなる。


 冒険者ギルドは依頼の達成率を高める為に、能力向上の為に有料の講座が多く開かれている。それらの講座を受けられるのもEランクからだ。

 それぞれの依頼達成に必要な能力を保証する、それらの講座の終了証を取らない限り、受けられない依頼も多々存在している。

 なので、積極的にそれらの講座を受けておいた方がいい。


 イーリスはいくつかの講座を勧める。


 採取系ならば『近隣生息植物講座』。

 討伐系ならば『近隣発生モンスター講座』。

 護衛系ならば『周辺地理講座』


 まずはこれらの講座は必須とも言える。


 Eランクになったから、もう危険な街な外に出たくはないと言う人は、街中の依頼を受けてみてもいい。ただし、街中の依頼を受けられるのは、Eランクという冒険者ギルドの保証がある為だと言う事をしっかりと認識しておくこと。

 街中の依頼の場合、失敗しても命の危険は少ないが、ギルドからの目が厳しく成りやすい。


 街中の依頼の場合で一番必要な技能は、良い素行を行なう事だ。農村出身などで、礼儀作法に疎いと認識がある者、礼儀に則った振る舞いができない者は『礼儀作法講座』を受ける事。

 あまりに礼儀作法ができていない者は、この講座を強制的に受ける事になる。


 そこまで言って、イーリスは生徒たちに確認を取る。幸いな事に、ついていけない者は居なかったようだ。

 生徒の一人、赤い髪の少女が挙手する。


「質問があります」

「いいっすよ。私にわかることなら、なんでも聞いて欲しいっす」

「それらの講座は有料なのですか? Eランクは正式なギルド員だというのに?」


 ギルド員からも金を取るのかと暗に問う。


「有料っす。冒険者ギルドは慈善組織では無いっす。Eランクは下っ端、新人扱いっすから、特別な技能持ちでもない限りは得に配慮はされないっす。


 ただ、図書室の利用は無料でできるっす。

 講座を受けなくとも、その講座を受けたのと同等の知識があると認定するテストがあるんすけど、そのテストも二回までなら無料で受けられるっす。


 だから金の無いEランクは図書室で勉強する事が多いっすね。けど金を払って講座を受けた方が合格はし易いっすよ?


 あ。あと、文字を読めないなら読み書き講座も有料で受けられるっす。

 Dランクに昇格するなら、文字の読み書きが必須でヤンスから、ちゃんと勉強しといた方がいいっす。


 それと、魔法使いが居るようだから言って置くでやんすが、魔法に関する講座もちゃんと在るっすよ。そっちも有料で、初級魔法まででやんすが、色々と属性事に学べるから結構便利らしいっす。

 それ以上の魔法の勉強がしたいなら、図書室の本で自習するか、魔法使いギルドの方に所属するしかないっす。


 魔法を実際に練習したいなら、射撃場がギルドの裏手にあるっす。

 隣には訓練場があるっすから、能力向上を求めるなら、そこで練習しているギルド員に教えを乞うって手もあるっす。けどこれは、相手の人となりと見てからにした方がいいっすね。


 正式な師弟関係を結べば、快く教えてくれる人が結構居るらしいっす。そうでなくとも、ホイホイと新人に教えてくれる人も居るらしいっすから、一度行ってみても良いかもしれないっすね。


 けど、注意は必要っすよ。

 自分の技を人には見られたくない、知られたく無いって人もたまに居るっすから。

 下手にそんな人に『教えてくれ』だなんて付き纏ったら、ぶん殴られでも文句は言えないっす。まあ、そんな人がギルドの訓練場を使うなんて事、滅多に無いっすから、基本安心していいっすよ。


 あ、そうそう。訓練場と射撃場も無料で使えるっすよ。

 ただ、射撃場の方は事前に予約しておく方が無難っすね。それと、長時間の占拠はしないように。他の人に物理的に蹴散らされることになるっすから。


 これらの講座や施設を使えるのは、Eランクであればこその特権でやんす。Fランクになったら使えなくなるっすから全員気をつけるように。


 ……えっと、こんなもんすかね? 他になにか在るっすか?」


「パーティーを組むにはどうすればいいんだ?」

 少年がそう、聞いてきた。


「パーティーを組む場合は受付で申請すればいいっす。それが認められればパーティー単位で依頼を受けられるようになるっす。

 メンバーを増やしたい時は、パーティーリーダーと新人が一緒に受付で申請をするように。

 逆に、パーティーから離脱したい時は一人で受付に言えば離脱できるっす。

 パーティーに強制的にメンバーを入れる行為、離脱を許さない行為は問題行動としてギルドからの制裁対象になってるっすから気をつける事。


 私がから言える事はコレくらいっすかね。


 他に何か質問が在るっすか?」


 イーリスの問い掛けに挙手する者は居ない。


「ん。なら、みんなでこれから移動するっすよ。初心者向け講習には野営実習が在るっすからね。今から北門へ向かうっすよ。私について来るっす」


 講義室を出る彼女に、事前に知っている生徒達はついて行く。


 野営技術を習得させるのも初心者向け講習の意義だ。これらから全員で北門から森に入り、採取を行い、一泊の野宿をするのだ。


 野営はそれぞれが持ち込んだテントを使用するのではなく、その場の自然にあるものだけで行なう。

 荷物を無くした時でも野営ができるようにする意味がある。安全な場所で一度経験させておけば、生存率が高まる。


 当然、講師となる者も同じように野宿をする。

 他の講習の場合は一回の講習は一、二時間に比べて、初心者向け講習は丸一日かかる。長時間拘束される上に、わざわざ野宿をしなくてはならない。この講習が講師から人気の無い理由の一つだった。


 テオにしてみると、荷物を無くす事ははっきり言って確率が低い。しかしこれはギルドの決まり事だ。仕方がない。

 せっかく買い込んだテントの出番はまだ先の事らしい。


 ギルドを出て、北門へと向かっているとテオは共に歩く少年の生徒に話しかけられた。


「なあ、あんた。先生と知り合いなのか?」

「ああ、ちょっとした縁が有ってな」

「縁?」

「ああ、結構会うんだ。特に会う約束をしている訳でもないんだが」

「へえ……。あ、俺の名前はフレッドって言うんだ。ジョブは戦士の中で剣を使ってる。アンタは? エモノがないが戦士か?」

「俺はテオ。いや、戦士ってわけじゃない。武器の扱いはからっきしだ」

「なら、魔法使いか? 魔法使いでも鎧を着ることもあるらしいが」

「いや魔法使いって訳でもじゃない。俺は魔法系のスキルは持ってないからな。

 ジョブとして名乗るなら……、そうだな。アイテムボックス使いってところになるだろうな」

「アイテムボックス使い?」


 フレッドはテオの言った事を納得できなかったようだ。テオは気にせず近くを歩く二人の女の子にも声をかける。


「そっちの二人は、なんていう名前なんだ?」

「私はスサンナ。ジョブは魔法使い。得意としてるのは雷属性の魔法。フレッドと一緒に組んでるんだ」


 黒髪の少女が答える。


「ミルカ……。私も魔法使い。得意なのは、土属性の魔法。……Fランクの時はソロで討伐をやってた」


 続いて赤い髪の少女が答え、テオをじっと見た。


「貴方、見た事があるわ。

 スライムを空から落としていたでしょう?」

「見られらたのか」

「当然。あんなの目立つに決まってるでしょう?

 一体なんの魔法を使っているのかと思っていたけど。あれ、アイテムボックスだったの?」

「ああ。そうだ。アイテムボックスでスライムを収納して、空から落とす。

 そのやり方で討伐をしていたんだ」

 今なら『竜断ちの鋏』でもっとスマートに討伐を行える。


「あの時見た限りでは、結構早いペースでスライムを倒していたから、すぐにEランクになると思っていたけど……。


 貴方がこのEランクの講習を受けるのは随分と遅くない?

 あの討伐ペースなら、私がこの講習を受けるのは貴方よりかなり後の事だと思っていたけど」


「別の指名依頼を受けていたからな。日程的に、前の講習は受けられなかったんだ」


 テオは肩をすくめる。ミルカが指摘する様に、テオが初心者向け講習を受けるのが遅くなった。クリスタの護衛期間に被り、当初予定していた講習を一度、後回しにせざるを得なくなった。


 その為、数日の間、Eランク相当の依頼を受ける事ができず、暇な時間が生まれた。

 そのおかげとは言えないが、護衛を行っている間、張り詰めていた精神をほぐすことができた。また、空いた時間には己を鍛える事ができた。

 だから、一方的に悪い事とは言えない。


 ミルカは首を傾げた。


「指名依頼? Fランクにそんなもの無いはずだけど?」

「俺のアイテムボックスは特殊だからな」


 自分のアイテムボックスは特殊であると広言しないといけない。

 アイテムボックス持ちならば誰でも自分と同じことができる可能性があり、アイテムボックス持ちの地位を上げたいと思っている以上、そうは言いたくなかった。

 だが、ギルドとの約束だ。自分の身を守る為には仕方ない事だ。


「モンスターの捕獲に使えるんだ。だからポイズントードの捕獲を頼まれたんだよ。

 俺はその功績のおかげでEランクに昇格したわけだ」


 流石にクリスタの護衛の事を話す訳にはいかない。


「じゃあ、お前は、百匹討伐をやってないのか?」


 不満気な顔を隠そうとしないのはフレッドだ。


「まあ、達成はしてないな。ギルドの方から捕獲をやってくれれば、すぐにEランクに昇格にすると頼まれたから受けた話だし」

「……なんだよそれ。贔屓じゃねえのか?」

「贔屓?」


 おかしな事を聞いたかのようにテオは首をかしげる。


「アレが贔屓か? 正直アレは現在進行形の罰ゲームじゃないかと思ってるんだが……。

 百匹討伐の方がはるかに楽だぞ?」


 フレッドに、と言うよりも独り言のようにテオは言う。

 一行の先頭を歩いて、話を聞いていたイーリスは呆れ顔で振り返る。


「テオさん。まだ納得してないんすか? 諦めた方が楽っすよ?」

「諦めはした。けど、納得がいってないだけだよ」


 イーリスは処置なしとばかりにため息をついた。


「? 先生は、その事を知っているのですか?」


 スサンナが問いかける。


「私も同じ依頼を受けてたんすけど……」


 イーリスは視線で話していいかを問い掛けるがテオは首を左右に振った。


「あー……、本人が嫌がっているっすから、私の口からは言えないっす。知りたいなら、本人に聞いて欲しいっす」

「ねーねー、テオ。教えてくれない?」

「悪いけど言う気は無いよ」


 その事は、当然ドラゴンキラーのことだ。


「あんまり口外するなと言われているんだ」


 それはクリスタの護衛の事で、カエル狩りの事ではない。イーリスは不思議そうに首を傾げたが、背を向けていたスサンナはそんな彼女の事には気がつかなかった。


「そう? それなら仕方ないけど……」


 口外禁止は二つ名について回る面倒事を避ける為の方便だ。

 Eランク以上の依頼には守秘義務が課されている依頼もある。その為に、スサンナは追及する事を諦めた。

 だがテオにとってはそんなにアッサリと納得されてしまうと居心地がわるい。


「ふんっ!」

「あ、待ってよフレッド」

 フレッドは不満気に鼻を鳴らして先行し、スサンナも彼の側に駆け寄る。


 イーリスがテオの近づき、側を歩くミルカには聞こえないような小声でテオに聞く。


「テオさん。今の口外するなって……なんで嘘ついたんすか? なんか言われたんすか?」

「そうじゃないけど……。広める必要もないだろう? ただの自慢にしかならない上に自慢しても面倒な事にしからないからさ」


 テオも同じく小声で答える。近くを歩くミルカが不思議そうに見ているが仕方ない。


「無駄だと思うっすよ? 二つ名付きなんすから、すぐにバレると思うっすけど……」


 イーリスの呆れ顔での指摘にテオは顔をしかめた。だが、言い返す事ができずに聞かぬふりをした。

 分かっているのだ。自分の付いた嘘に意味が無いことは。どうせこの後、街の外に出る前に、ステータスカードを見せ合う事になる。そうなれば【竜牢】の二つ名付きであることは明らかになる。

 もしもステータスカードを見せ合う事が無くとも、冒険者ギルドでテオに関するウワサを耳にすれば、ドラゴンキラーである事はわかるだろう。


 それでも、ドラゴンキラーの名はできるだけ知られたくはない。この名のせいでヴァンパイアと戦うハメになったのだ。今度はどんな厄介者がこの名に釣られてくるか分かったものではない。


 そんな心の内を見抜いたのか、イーリスは苦笑したが何も言っては来なかった。


 その頃には、北門にたどり着いた。



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