第24話 若さ故のなんとやら
大変長らくお待たせしました。更新再開です。休止中は申し訳ありませんでした。今後ともよろしくお願いします。
12月24日。つまりはクリスマスイブ。
俺は牧野との待ち合わせ場所に向かって走っていた。
小さい頃。まだ恋とか愛とかいう感情もわからない頃から、俺は牧野のことが好きだった。そして年齢が上がって行くごとに、その感情はますます高まっていった。
そして牧野と体が入れ替わって、色々あったけど、その気持ちは明らかになった。
そして、その気持ちを今、牧野に伝えるんだ。
待ち合わせをしていた公園にはすでに牧野が立っていた。
「ごめん…待った?」
「ううん。今来たとこだから。
で、話したいことってなに?」
「うん。それは………」
そして俺は深呼吸して、言った。
「俺………小さい頃からずっと、牧野のことが好きだった。
好きだ。入れ替わった状態で言うのもちょっと変だけど、その………俺と付き合って…くれないか」
俺の言葉を聞いて牧野は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になってこう言った。
「だめなわけないじゃない。私だってゆーとのこと………その………す、好きだから………」
「牧野………」
「ゆーと………?えっ………?」
その瞬間、俺は牧野を抱き締めていた。
「ごめん………俺のせいで………入れ替わっちゃってこんなことになって………」
俺のせいで牧野を大変な目に会わせてしまった。俺の心の中は罪悪感で一杯だった。
「そんなことないよ………。
そのおかげでこうなれたんだし」
そう言って牧野は俺に笑いかけた。その笑顔で、俺の心の中は一気に晴れて行く気がした。
「あ、あのさ。牧野」
「な、なに?」
「俺たちって、その、恋人ってこと………なんだよな」
「う、うん………」
牧野は顔を真っ赤にして俯いて返事をした。
「あのさ、牧野」
「うん………」
「キス………しないか」
「ふぇっ!?」
その瞬間、牧野はますます顔を真っ赤にして手で顔を覆うようにして俯いた。
そしてしばらくして、牧野は答えた。
「いいよ。ゆーととなら………しても」
「ありがとう。………じゃあ行くぞ」
「うん………」
そして俺は牧野の肩を抱き寄せた。そして少しずつ近付いて行く。
吐息の掛かる距離。牧野は目を閉じてその時を待っていた。
そして俺はその唇に唇を………重ねた。
その時俺は思った。
(あれ………俺、自分の唇とキスしてないか………?)
その瞬間。
あたりを光が包み込み、目の前が真っ白になる。
そして………
「うっ………あれ?」
「もしかして………俺たち………」
「「戻った?」」
この状態で続く
こんな状態で続いていいのだろうか………と自問自答しつつ、次回最終回です。