第二十三話 他人によって気付かされることもある
今回は短めです。物語はラストシーンへ向かいます。
その頃。
自分が告白されているとは夢にも思わない涼子は、相変わらず自分の気持ちをはっきりさせられないでいた。
結局その日も結論は出ず、涼子は不安な思いのまま就寝した。
そして修学旅行最終日。
解散場所の学校へ戻ってくると、裕人に信哉が近付いてきて言った。
信哉「牧野さん、また学校でね」
笑顔でそう言うと、信哉は走って去って行った。
信哉って、案外カッコいいよな………。
裕人はそんなことを考えつつ、焦りを深めて行くのだった。
その後特に何もなく家に帰った涼子に一通のメールが来た。
涼子「あ、かなたんからだ………」
その内容を見て涼子は愕然とした。
突然ごめんね。
いきなりだけど、裕人のことについて伝えておきたいことがあったんだ。
実はね、私、修学旅行の時に裕人に告白したの。
ずっと好きだったんだ、裕人のこと。
涼子「え…かな…たんが…」
初めてりょーこに裕人を紹介されたとき、別に何とも思って無かったんだけど、ずっと一緒に過ごしてて、裕人が少しずつ好きになっていったんだ。
まだ返事はもらってないけど、私は………
その瞬間、涼子は携帯を閉じた。
涼子の中には、愛絵に対する怒り………ではなく、何か嫉妬心のようなものや、今まで感じたことのない感情が沸き上がっていた。
この気持ちを何と表現しようか。
涼子がその言葉を見つけた時、今まで悩んでいたことが全て抜けて、心が晴れやかになってゆく気がした。
そうだ、あたしは、ゆーとのことが、好きなんだ。
続く
実は次の小説のネタが出来てたりします。後日公開予定。