第二十一話 三角関係って言うんだろうか、これ。
今回は、展開が大きく動きます。色々と。
そして今までで話が最も長くなりました。頑張りました。詳しくは本編で………。
なお明日更新予定でしたが、一年間で最大のイベントがあるため、本日に更新させていただきました。
愛絵と大浴場で倒れた裕人は、ホテルの部屋に戻っていた。
愛絵「裕人、大丈夫?もう………心配ばっか掛けて………」
裕人「うぅ………ん?あれ?ここ、は………?」
愛絵「やっと起きたわね………。
まったく、いつも心配させるんだから………」
裕人「ご、ごめん………」
愛絵「べ、別にいいわよ。その………嫌じゃ無かったし………」
裕人「え?なんだって?」
愛絵「この話はいいから!
とにかく、今度あんなことしたら許さないからね!」
裕人「うん………わかったよ」
しばらくの間をおいて、愛絵は真面目な顔で裕人に話し始めた。
愛絵「あのさ………裕人」
裕人「なに?」
愛絵「やっぱり、裕人は………その………」
裕人「なんだよ?ハッキリ言えよ」
愛絵「裕人はやっぱり………りょーこのことが好きなの?」
裕人「な、なんだよ…いきなり」
愛絵「まじめに答えて。裕人はりょーこのことが好きなの?」
裕人「ま、まあ、そうだけど………」
愛絵「そう………やっぱり、そうなんだね」
裕人「どうしたんだよ?」
しばらくの沈黙の後、愛絵はゆっくりと話した。
愛絵「実は私………裕人のこと………好きだったの」
裕人「え!?」
愛絵「3年生にクラス替えがあって、りょーこに裕人を紹介されて………。
最初は正直普通だなって思ってたけど、一緒のクラスで過ごして行って、裕人の優しい一面とかを見たり、りょーこと3人で一緒に出掛けたりして、裕人の印象がどんどん変わって行って………」
裕人「………」
愛絵「裕人がりょーこのこと好きなのはわかってたけど………この気持ちを抑えきれなくて………。
ごめんね。こんなワガママなこと言ってさ。ただ………この気持ちだけは伝えたくて」
裕人「………ああ」
愛絵はそう言うと元のような明るい笑顔に戻った。
愛絵「まあ、そういうことだから。
私は、裕人のこと好きだから、裕人には幸せになって欲しいの。
だから、私は裕人のこと精一杯応援するわよ。りょーこと「イイ関係」になれるようにね!」
裕人「ちょっとおかしい意味も含まれてる気もするけど………ありがとう。
俺も頑張って、牧野に告白してみる」
愛絵「もしりょーこにフラれたら、私が彼女になってあげるわよ」
裕人「おい、不吉なこと言うなよ………」
そう言いながら、愛絵が彼女でも悪くはないな………と思う裕人であった。
その頃、男子部屋では………。
浩二「なあ裕人、どうしたんだよ?
今日絶対様子おかしかったって。牧野が話しかけても反応しなかったし………」
涼子「あ…うん………」
浩二「本当に、何があったんだよ?」
涼子「べ、別に、何も無いよ」
浩二「こんなこと言いたく無かったけど、お前最近なんか俺に隠してるだろ。
お互いに隠し事はしないって昔約束しなかったか?」
涼子「ごめん………」
浩二「言ってくれよ。何があったか。
俺が出来ることなら何でもするからさ」
涼子「ごめん、今は、言えない………」
浩二「まあ、裕人がそんなに悩むなんて初めてだからな。
別にいいよ。黙っておいて。
何か協力出来ることがあれば、いつでも相談してくれよ。」
涼子「うん………ありがと」
そう言われて涼子は少し救われた気がした。しかしその気持ちの何倍も、裕人との関係に関する悩みは膨らんでいくのだった。
裕人もまた悩んでいた。
愛絵が自分に好意を持っているなど、思いも寄らなかった。
愛絵は自分のことを応援すると言ったが、自分は素直にその愛絵の応援を受け止められるのだろうか?
もしくは愛絵も、本当に素直に応援してくれるのだろうか?
これが三角関係って言うんだろうな………と、結論を出すものの納得出来ない裕人であった………。
続く
次話は予定通り元旦更新を予定しています。
次回も大きく話が動きます。
ご覧いただきありがとうございました。来年も「俺が私で私が俺で………」をよろしくお願いします!
それではまた次回。皆様、よいお年を。