第十八話 「羞恥心」は「しゅうちしん」と読むんだと今さら気付いた俺がいた
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放課後。挨拶が終わると、涼子が裕人の前にやってきた。
涼子「さあ、早く帰るぞ」
男言葉にも慣れ、全く違和感の無い口調で裕人の姿の涼子は言う。
裕人「う、うん」
愛絵「あーちょっとぉ、二人とも待ってぇ」
そして帰り道。
涼子「すっかり忘れてたわ………」
裕人「ま、まあな」
相変わらず妄想が止まらず、顔を赤らめながら言う裕人。
それを見ていた涼子はすぐに裕人が考えていることに気付く。
涼子「ちょっとゆーとぉ?」
裕人「な、なんだ?………ってひいっ!!」
愛絵「あーあ」
ゴゴゴゴゴ………
涼子の今の様子を表すにはこの言葉がふさわしいに違い無かった。
裕人の姿をした涼子の背後にはどす黒いオーラが漂っていた。
涼子「ゆーとぉ?ぜーったいえっちなこと考えてたでしょぉ?」
裕人「あっ………あの………」
涼子のあまりの剣幕に裕人は声も出ない。
涼子「素直に言いなさいよ………ゆーと」
裕人「はひぃ!す、すいません………」
愛絵「………りょーこ………凄い………」
その後、涼子の裕人に対する説教は、一時間続いたという………。
涼子「もうっ!ほんとにゆーとはっ!」
裕人「ご、ごめん………」
涼子「これからはぜーったいにえっちなこと考えちゃだめだからね!!」
(多分、無理かも…)
そう裕人は思いつつも、素直にはいと返事をした。
愛絵「でも、ほんとにどうするの?
今までは良かったけど、修学旅行はそんなふうにはいかないじゃない」
涼子「ま、まあしょうがないわ。
そ、そりゃ見られるのは嫌だけど………防ぐ方法もないから………」
裕人「じゃいいのか?普通に入って」
涼子「ゆーとは黙ってなさい!!」
裕人「はい………」
涼子「だから………なるべく見ないようにして入りなさいよ」
裕人「やった………じゃない、はい、わかりました………」
涼子「かなたんも、ゆーとが変なことしないかちゃんと見ててね」
愛絵「うん、わかった」
涼子「はい、じゃもうこの話は終わり。修学旅行、楽しみましょ」
裕人「うん………」
(つ、疲れた………牧野、説教長げぇよ………)
この修学旅行が、裕人と涼子の関係の大きな転換点になるとは、この時の三人には知るよしも無かった。
続く
次回から修学旅行編に入ります。