【第1.5話】 ラミア独白
ラミアちゃんの独り言です。彼女の名前はティナちゃんです!
お気に入りのキャラです。
*
『はあぁ。つまんない! つまんない! つまんない!!』
『どこまで行っても森の中じゃないのぉ!』
『誰ともめったに出会わないしぃ……』
『出会ったら出会ったで、アタシを見るたび逃げて行くしぃ…』
『あぁーなんか、むかつくぅ!』
『こちとら、出会いを求めて旅してるんですけどぉ。』
『ちっとも、素敵な出会いがないんですけどぉ。』
『………あれ? ここ、さっきも通ったような…』
『ききき、気のせいよねっ! きっと、気のせいよねっ!』
『……でも、この亀みたいな石…3回め…だよね……』
*
『あああああっ! やっぱりアタシ、迷っちゃてる?』
『ヤバい? ヤバいよね? ヤバすぎよねっ!』
『あああん! アタシ迷子になっちゃったあぁ!!』
『どうしよう! アタシどうしよう!!』
『アタシ死ぬの? 死んじゃうの? ひとりさみしく死んじゃうの?』
『イヤああぁ! それだけはイヤああぁ!』
『助けてえぇ! アタシの運命のヒトぉ! 白馬の王子様ぁ!』
*
『……はあはあ。落ち着け、落ち着くのよアタシ。』
『……きっとアタシ、疲れているのよ。』
『……うん、そうよ。一晩眠ればダイジョーブ。』
『……あ、なんか良さげな空き地があるっ!』
『……うん、前にも見た気がするけど、気のせいよね…』
『今日はここで休もう……。もう気温も下がってきたしぃ。』
『とりあえず、火を焚かなくっちゃあ。』
『えと…火打石どこやったっけ?』
*
『ふああぁー。あったまるぅ! やっぱ、焚き火は最高よねー!』
『よしっ! 体温高いうちに水浴びしなくっちゃ。』
『……うーん。誰もいないわよねぇ。ここで脱いでっちゃえ!』
『荷物も服も、盗られたりしないよねっ?』
『あっ……そういや、この1カ月ほど、誰とも出会ってないんだった…』
『ぐすん……。盗まれるはず、ないんだよね……。』
『……はっ! ダメよ、めげちゃダメっ!』
『なんのために、ラミアの里から逃げだしてきたのよっ!』
『未来の……旦那様を見つけてやるんだからっ!』
『そうよっ! とっとと永久就職先、捕まえるんだからっ!』
『ちゃっちゃと水浴びして、ちゃっちゃと休もうっ!』
『うんうん。夜更かしはお肌の敵よねっ!』
*
『ううぅ。……川の水って、冷たいよぅ…。』
『寒いよぅ……つらいよぅ…。』
『早く……早く……火にあたりたいよぅ…。』
『……あれ……あっ!』
『えっ!? ヒトだっ! 女だっ!』
『なんでっ? なんで、なんでっ!?』
『あっ!? け、剣を出したっ!!』
『ちょっ、ちょっと待ってよぉ!』
『アタシ、悪いラミアじゃないよぅ!』
『ちょっとぉ、ひとの話ききなさいよぉ!!』
『こらああぁ!! ひとの話をきけええええぇ!!』
*
『えっ!? なんかアタシの目の前に、魔方陣できてるんですけどっ!』
『なんか……ちょー怖いんでですけど!』
『ひやぁ! なんか光ったぁ! ちょー眩しいんですけどっ!』
『……へっ!? 何っ!? なんなのっ!?』
『アタシの目の前に…急に…男が…現れた…?』
『て、てゆーか……こいつ服着てないんですけどっ!』
『すっぽんぽん、なんですけどっ!』
『あれっ? こいつの視線がゆっくり下に向かってるんですけど。』
『……なんか、アタシの体、凝視されてるんですけど。』
『………。』
『………ああああぁ!!! アタシもハダカだったああぁ!!!』
『は、は、は…恥ずかしいんですけどっ!』
『とっても、恥ずかしいんですけどっ!!』
『……な、なにっ!?』
『こいつの体から、な、なんか生えてきてるんですけどっ!』
『……なんか成長してるんですけどっ!』
『ここ、これって、もしかして、もしかしてっ…!!』
『ひやああああああああああああぁ!!』
*
『……あれっ、目の前が……なんか……』
『……かすんで……き……た……。』
こういうのって、書いてて楽しいです。