老人は転生して赤子返りする
何も見えない。だが何かが視える
目の前は真っ暗なのに脳内になんらかの映像が流し込まされる、というべきか
だが映像が流し込まれるのに映像が何なのかわからなかった
自分に何が起きているのか分からなかった
突如金属音に似た音が響く!頭の中に大音量で流し込まされる!
声が出そうになった、出ない、いや出せない!
声が出せない!
金属音はどんどん増幅されていく
頭が割れる・・・!
金属音は鳴りやむ
消えた、金属音が消えた
頭痛はなくなった。いや飛んだ
痛みが吹き飛んだ
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頭が回らない
明るさが分かる。だがなにも見えない。目の焦点が合いにくい
手がうごく。だが何もできない
うごくだけでなにもできない
耳にはなにもきこえない。だが鼓動をかんじる
呼吸は出来る、だがつねに水をのんでいるようだった。なぜかくるしくない
すごくここちいい
あったかくて、はらもすかなくて
なぜかあんしんできた。ずっとここにいたい、とおもってしまった
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もうどれほど日がたったかわからない
少しだけ頭が動き始めた
外がやたらと明るい。あの悪夢のような耳鳴り以来だ
自然と目が覚めた
なぜかわからないがいつも響いていた鼓動が少し弱い気がする
なぜだろうか
だんだん目の前が明るくなる
何が起きているんだ?
突然上側から下側へ視界白く切り開かれる
なにかグレーに輝くものがへその辺りを切った!
へそに何かが繋がっていたことを始めて認識した!
大きな大きな何かが自分を包み持ち上げる
手だ!あれは人の手だ!巨人のごとき手である!
黒と白の視界の中で人をなんとか認識できた
自分の五倍ものでかさの人である!
自分は地獄にいるようだと認識した
幽霊よりキチガイが怖い、などと昨今ささやかれるが巨人のほうが数倍怖いと訂正させてもらおう!
巨人が私に微笑みかけた
私は卒倒した