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老人は過去を思い返す

年は68。自分は深夜0時にのどが渇き目覚め、水道からコップに水を注いだ

喉を潤すがしょうもないことが頭をよぎる

老死する人は死ぬ前日の夜、喉を乾かす

60を超えてから隠居し田舎で本を読み、時々訪ねてくる息子や孫、旧友、後輩たちと笑いながら過ごした日々

もしこれが死ぬ前日ならばもう少しだけ生きたかった


懐かしい記憶が蘇る

まだ片手で年を数えられる頃から楽しい日々であった

田舎だったが自分はたくさんの友と一緒に育った

嫌いな人もいたが仲良くなれた人もたくさんいた

自分は貿易関連の会社に就職して、とてつもない激務と闘ってきた

冷戦の中でもとても平和だった

バブルの影響を受けて国は華々しくなっていった

変わっていくこの国を堪能した

妻も出来た。今は息子の家だがずっと自分に付き添ってくれた

最愛の妻であった

盛者必衰、バブルははじけた。だが自分の会社は必死にいき延びた

自分が退職した後も会社は生きている


神も悪魔も何も信じない自分であったが手に入れたいものはすべて自分で手に入れた

だがもう一つだけ望みがあるとすればもう一度人生を歩みたかった

もう一度生きたかった


気づけば時計は深夜1時であった

息子の家にいる妻に留守電をかけ、自分は寝た

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