恋詩〜こいうた〜

My Dear

春浅い浜辺に二人　たそがれ

小さな石を拾い集めた

肌寒い夕暮れの風が肩を震わせても

言葉も無くただ明日を探し続けて

波間に潤（うる）む太陽が

音をたてて沈んでゆく

傷つけ合うだけの二人の恋を

あざ笑うかのように

こんなに近くにいても

遠すぎる背中　小さいね

抱きしめたい

友達とか　恋人とか

使い古された呼び名より

もっと大切な人だから

今どちらかの言葉であなたを口にすれば

すべてが幻になってしまうわ

だから今は「さよなら」ではなく

心を込めてMy Dear

強がりじゃないの

オレンジ色の光　降り注ぐ湾岸線

二人偶然のようにたまに会えば

決まって走ったこの道も

もう　あなたとは走らない

互いに誰かいるわけでなく

ただ　お互いでない誰かを探してる

気付かない振りは　残酷だわ

友達とか　恋人とか

型にはめられた関係より

もっと大切な人だから

今二人の進む道をひとつにすれば

どちらかの心を殺してしまうわ

だから今は「愛して」ではなく

心を込めて　My Dear

遠くから祈らせて

思い出の小石を

ひとつ飲み込んで

あなたと初めてひとつになれたの

もう　遠い人だけど　My Dear