休憩
一方、量子コンピューターの内部の仮想空間は、荒れていた。
電源が落ちたかのようにして、真っ暗である。
「……接続はオールグリーン。感覚接続完了。映像、開始」
欧州連盟側がそれを宣言すると、すぐさま視界は回復する。
「戦いは、これにて終了とする。判定は後程述べる。一時休憩とし、楽にしてください」
欧州連盟側の提案は、すぐに受け入れられた。
ゲンガー、影法師双方とも、その場で武装の全てを強制的に解除された。
そのうえで、どこかの喫茶店のようなところに座っていた。
「コーヒーをどうぞ」
エスプレッソの、芳醇な香りが漂ってくる。
ウエイターがさしだしたデミカップに7割ほど入っている液体を、ゲンガー、影法師ともに受け取るとすぐにわずかにすする。
「ふむ。グアマテラ産の豆かな」
ゲンガーが話す。
「それに類似するようにしっかりと考えております」
欧州連盟の代表が、さらにサンドイッチを持ってきた。
「今回の試合についての判断が出ました。これは全会一致の判定であり、覆ることはありません。5回の再考、あらゆる角度からの検証、映像のコマ送り、そのほか様々なものを駆使した結果です」
キューカンバーサンドは、みずみずしいキュウリだけが具としてあるサンドイッチだ。
それを6人いる机の上にそっと乗せ、それから自らの席を創り出してから、座った。
「では、結果を発表する」
代表が、自分の懐に手を入れ、茶封筒を一通取り出した。




