焼きつく
瞼に焼きつく。
心に焼きつく。
僕は君に惚れている。
受験の時、
僕は、君を見て恋に落ちた。
一目見て、可愛いと思った。
こんなにも素晴らしい人が、
僕が生きるこんな世の中にいることを知った。
それが、僕の初恋だった。
クラス発表当日。
僕の心臓はバクバクだった。
君と一緒になれたらと、
何度眠れぬ夜を過ごしたことか。
僕は初恋が遅かったからか、
それだけ君に寄せる想いは大きかった。
僕のクラスは1-1。
君の名前は、まだ知らない。
この時、君の情報で知っていたことは顔だけ。
だから、1-1に君がいないかワクワクしながら、
クラスの扉をそっと、 そして緊張しながら開けた。
だが、そこには知らない顔が沢山。
僕の期待した君の顔は、残念ながらなかった。
『あぁ、やっぱりそんなにうまくいくはずが』
僕は心の中で呟いた。
だから、僕は大人しく僕の席に座った。
しかし、それから数分後、
一人、知った顔がクラスに入ってきた。
・・・君だ。
僕の心音は早くなる。
今はあいうえお順で座っている。
君の名前は僕の近くなのだろうか?
僕の心は一気に緊張する。
そして、君は座った。
僕の前の席に。
わかるだろうか?
授業中、僕の心臓がバクバクと、
最大ボリュームでなり続けていることが。
もし、そんなのが君に伝わっていたら。
そんなことを考えると、
より一層大きくなる心音。
もはや、止めることなど、できやしない。
君に聞いてほしくはないけれど、
君の隣にいたいと願う僕の心。
君の後ろの席に座っていると、
シャンプーのいい香りがするんだよ。
わかるだろうか?
入学式から数か月たった今、
僕は君の色んなことを知った。
例えば、名前。
だけど、名前だけじゃない。
君と話をすることで、君の趣味も知った。
君の考え方も、君の癖も、君の愛情も知った。
僕らは今、付き合っている。
きっかけは、僕。
ある日、衝動が抑えられなくなって、僕から告白をした。
そっと頷く君。
その姿さえも、可愛く感じた。
そして、僕はさらに君を好きになる。
瞼に焼きつく君の姿。
耳に残っている君の声。
忘れることができない君の存在。
心に焼きつく君の感覚。
僕は本当に、君が好きだ。