元の世界のはなし
「まぁ、座ろう。」
シャドも起き上がり、地面に座り込んだ。
「一度、こうやって、お前とは話したかったんだけど」
口調は気を付けると、男の話し方に戻せた。
「でも、お前って俺見ると、なんか発情しちゃって、まぁ、なんというか気持ち悪くて、俺自身ドン引きしてたからな。難しかった」
「まぁっ!、気持ち悪いなんて失礼ね。美しすぎて緊張してたって、おっしゃいな!」
……
「なによ!なんか言いなさいよ!」
「やっぱ、お前って、面白いヤツだったな」
そこで、俺は、元の地球が、戦争ばかりやってた歴史だけど、日本という国が冷戦を経て、何十年も戦争をしないで、平和を謳歌して発展してきた歴史を説明した。
「ダーリン。何が言いたいのかしら?」
「だから、俺たちも、ココで平和に生きれないかって!」
「無理よ!魔族たちの人間に対する憎悪は強いわ!」
「それを言うと人間達の魔族に対する思いも…」
でも、それを言っても始まらない。日本とアメリカも乗り越えてきたんだと思う。戦後すぐの事はわからないが…
ここで、シャドを殺したところで、また違う魔王が生まれて戦いが続く。それは、ダメだ。
「まず、お互いに対する抑止力」
冷戦の知恵、歴史を学びました。
「抑止力?」
「人間に対する魔王と魔王に対する勇者!お互いに対抗手段がある。」
「攻め込んだら、返り討ちに会うってこと?」
「うん、それで牽制しあえば、表面上の戦いはなくなる!」
「確かに…魔王の力を手に入れたけど、こんな若造勇者にやられるなんて、迂闊に攻め込めないわね。」
若いけど、リュウは強いよ。たぶん俺より…
「人間側も、魔王がいると甚大な被害が出るから、攻めれないと思う。」
「でね、ここからが本題なんだけど。魔族と人間。言葉はほぼ同じなのに、お互いを知らなさすぎる。」
「お互いを知らない?」
「俺は、魔族でもアーシャさんのこと好きだし、その娘のロゼは、たぶん自分の娘より大切で大好きなんだ。」
娘いないけど……いないと思うけど。
「それがなに?」
「お前も、俺のこと好きなんだろ?」
シャドが照れる。可愛いところある。
「ええ。愛してるわ。ダーリン!」
「個人として付き合うのに、お互いの好き嫌いに、種族は関係ないってことだ。」
「どうすれば?」
「シャド。お前も頭良いんだから考えてくれ。」
目の前にいる魔王が急にしおらしい。ちょっと、意地悪してみた。
「うん、そうね。ごめんなさい。」
意地悪したのに素直だ。かわいいところもある。
「まぁ、しょうがないかな。で、ソーディアムの次の王は、強さ的にも血筋でもロゼか生まれたばかりだけど弟のミックになる。彼らは魔族でも人間でもないし、魔族でも人間でもある!」
「ええ。それで?」
「彼らがトップになるソーディアムを交流都市にして、魔族と人間が交流すれば良い!そこで、お互いを知っていけば…」
「うん、良い考えね、でも、理想論だわ。」
「そうでもないさ。なぁ、」
学園のみんながいる方向に顔を向けて、
「王様!」
キングダムの王様が姿を見せた。前に会議にも来たけど、フットワーク軽いのね。この王様!
「話は聞かせてもらった。どうだろうか、私は勇者様の提案に乗ろうと思う。」
「それなら、次期ソーディアムの王も良いと思うぞ、賛成だ!」
ロゼも味方してくれた。
「魔族の王、魔王と人間の王様が同意したんだ!後は、なにも問題ないさ。なんとかなる!」
王様が周囲の制止を振り切って、こっちに来て
「よろしく。お願いするよ」
と言って、シャドと握手を交わした。
この王様は…
ありがとうございます!
日が傾き始めている。
王様が、提案する。
「今日は、学園の卒業パーティーがある。私も参加するが、魔王さん達もどうかな?」
4人の魔族も気が付いて、話を聞いていた。
「シャド様どうします?」
「貴方達はどう思うの?」
シャドが4人に意見を求める。
「私は、戦いは好きだけど、人間と交流するのも面白そうかなと」
「私も、そう思います。」
「じゃあ、決まりね。元々、負けた私たちに選択肢は無かったのだし…」
「シャド。今日はエリス居ないから、俺がお前をエスコートするさ」
シャドは真っ赤にてれている。でも、俺が付いていないと、人々も不安だろう。
「そうと決まれば、パーティーは、卒業記念兼交流パーティーに変更だ。予算も増やすぞ。急だが準備急ぐぞ!」
王様っ、嬉しそう。
基本的に、パーティーピーポーなんだよな、このお方!
これで、良かったんだよな!
誰に問いかけたわけでもないけど…
ありがとうって誰かに言われた気がした。
魔族と人間の戦いに終止符がうたれた瞬間だった。
次を最終話にしたいと思います。
本日中には出したいです。




