封印魔法の弱点
ソーディアムへ来て、シャドが復活したことと逃げられたことを説明した。
「封印が解かれた?そんなはずは……」
カイが頭を抱える。
ここにいるのは、リュウとカイ、そして援軍にきたバラックとロゼ、ラウル、他キングダム騎士団の幹部の方々等だった。
「シャドは、封印されながらも魔族たちとも連絡がとれたみたい」
私が発言する。
「何らかの方法で、魔力が回復する方法があったのかも……」
「それで僕の使用した封印魔法の魔力を上回ったのか…」
「封印の解き方がわかったって言ってたし。」
あ、水晶持ってきたんだった。
「カイ、シャドが逃げるときに、私の気をそらすためにコレを落としていった。」
「コレ。変化の指輪の?」
「そうだと思う。なか見るとエリス…さん…がいる。」
水晶をカイに渡す。
カイは、右腕でうけとると魔力を込めた。
目の前の隻腕のイケメン少年は、一瞬のうちに美人のお姉さんへと変貌を遂げた。
「かあさん!」
リュウが、思わずエリスに抱きつく。
「あ、ごめんなさい。」
みんなが見てること、もう、母親に甘える年でもないリュウが離れようとするが、
「リュウ。良いの、あなた、よく頑張ってる!」
しばらくの親子の抱擁を見守ってあげよう。
みんなもそんな気持ちだった模様。
まぁ、母一人、子一人でやってきて、最近いろいろあって、まだ十代なのに、いろいろな責任があって…
こんなとき父親として力になるべきなんだが、いかんせん今は妹……
いつも、お兄ちゃんには甘えてしまう…
「リュウ、でもね。あなたがエリカに呼ばれたときに行かなかったのは、あなたの判断ミスよ!」
あ、来た。エリスのお説教。私勇者にときには、毎日のように…
「あなたには、唯一無二の勇者だと自覚をもってほしいわ。」
…私も言われたことあるよ。
「でも、かあさん!」
あ、でもはイカンよ。
「口答えする気?でもって言葉私嫌いなの知ってて言う?」
お説教が延びてしまう。
ここは、私が
「あの、エリスさん。あの場面では、仕方がなかったと思いますし、お兄ちゃんも反省してると思いますし、今後のことを話し合わないと…」
お説教中のエリスに話しかけるの思ったより、おっかないね。最後声が震えたよ。
「それもそうね。リュウ、後でね。」
エリスは、もとに戻ると、腕があり、五体満足な身体になっている。女性として完璧な身体に。
…もうカイにはなってくれないのかな?
意味のわからない不安を感じてしまう。エリスはそんな不安を察してくれたのか、
「エリカ。心配しないで、私は私。あなたを愛していることに変わりはないわ!」
頭を撫でてくれる。
「うん、」
でも、今は魔王がいる緊急事態。そう簡単にカイにはなれない。エリスの方が、カイより戦力になる。…うーん、百合プレイか…
ふと、リュウが複雑そうな顔をしている。
まぁ、カイなら姿が違うから割りきっていたものの、母親と妹が恋人なんて、ちょっと納得できないよね。
仕方ないんだよ、元は、あなたの父と母だから問題はないんだよ!内緒だけどね。
前回の魔王討伐でエリス達は、魔王城の場所を知っている。
中の構造も大体覚えているので攻略は可能だと言える。
でも、シャドのことだ、大人しく魔王城にいるとは限らない…
「ここは、大人がやるしかないな!」
バラックが言う。
「そうね。騎士団の方々とラウル君にはキングダムへ帰っていただいて、ピーターとローザの来てもらいましょう。エリカ、移動魔法で先に言って二人を呼んできて。」
「はい。私は?」
「そのまま、キングダムでアリアさんと魔法の研究しておいて。キングダムの守りでもあなたは必要よ」
シャドの出方がわからないので元の勇者パーティーにリュウを加えて調査することになった。このパーティーなら魔王を倒せるかも。
ロゼは、作ってもらっていた剣を受け取りに行き、一旦キングダムに戻ってくることに。
一緒に居たいんだけどな…
出来れば付いて行きたかったけどね。でも私、聞き分けの良い子になりますっ。
「まぁ、今日は皆疲れているし、明日から動きましょう!」
エリスの提案でお開きとなった。
その晩、エリスと一緒にいたんだけど…
いっぱい甘えたんだけど…
……あんな世界があったなんて!




