表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と少女と変化の指輪  作者: 山口瑛史
変化の指輪と勇者
46/75

魔族の戦略


修道院のある町から、20km程離れた場所にその山はあった。

武具の素材となる聖石の原石が埋蔵されており、修道院の母体の教会が厳密に管理していた。


シャドが魔王となってから、魔族がこの山を占拠してしまい聖石の発掘が止まってしまっている。

聖石を含む武具は、魔族にとって特効があるので、魔王軍としては、この山を押さえることは戦略的に重要と言うことなのだろう。

今のところ、冒険者達の攻勢の方が強く町への進攻はされていないそうだが、油断は出来ないだろう。


シャドは、石橋を叩いてわたるタイプだからいろんな手を打っていると思われる。

エイタを封じ込めたこととかね。ただ、皆がいるキングダムに乗り込んできたり迂闊なところもあるんだよなぁ。


そんなところが、魔族達の人気の高い理由だったりする。

用心深いお調子者と言ったところかな。



というわけで、魔王軍の中でも精鋭が居る可能性がある。


麓までは馬車で行く。

「お兄ちゃん。どんな敵がいた?」

「とにかく、数が多かった。で、指揮官がいるのか、秩序だった攻撃をしてくる。」

「そうなると、後衛のいない状況はキツかったと?」

「うん、ラウルが攻撃を受け止めてくれたのと、ゴートが変な術を使ってくれて逃げ切れた感じだな。」

「変な術って…忍術ってヤツですよ。」

ゴートが笑って言う。

「そうだよ。リュウさん。ゴートのお陰で助かったんだし。」

ロゼもゴートの味方をする。

「でも、みんな凄く強くなっているな。ビックリした。それなりに数は減らせたしな。で、エリカが入れば、範囲攻撃で殲滅できるだろ。」

ゴートは、合流して初めての戦いだったな。

「私は、あんまり強くなって無いけどね…」

「まぁ、もともとが強烈だったから大丈夫だよ。俺が魔物達を誘導するから、ドカンって宜しくな!」

「おっけー」



山とは言うものの、それほど高い山ではなく1時間もかければ頂上へつくほどの小さな山である。中腹に広がった場所があり、魔族や魔物の群れが、駐屯しているようだった。


その広場まで行く途中でも、魔物達が襲いかかってくる。

山の上から熊やら狼の魔物達が、重力を生かして突進してくるが突進をラウルが防ぎ、リュウとロゼが一撃をいれ、撃ち漏らしをゴートと私が止めを指す。多少の傷を受けるもののアリアさんが治癒してくれる。地の利は完全に向こうにあり、魔物自体のレベルも高かったが、戦力的には危なげない戦闘だった。


「やっぱ、後衛がいると違うな。昨日は僕らだけで大丈夫と、ちょっと甘く見ていた。」

リュウが言った。

「アリアさんがいると、お兄ちゃんのやる気も違うしね。」

「ぅん…、そうだな。」

認めたな…


広場が見えるところまでやって来た。

サッカーができるくらいの平原が広がっている。魔物達が群れているが、少しずつ散らばっている。

「アレ、真ん中に集めるからさ、ドカンといける?」

ゴートが聞いて来る

「うん。いけるけど。どうやるの?」

「まぁ、見てな」


ゴートが見せたのは、分身と幻影を織り混ぜた囮作戦である。

魔物達が誘導されていく。

「エリカ。今だよ!」


ここは、爆裂魔法で、チュドーンって。はいっ。


凄まじい爆発音、エリスの爆裂魔法を越えるかと思われるほどの音と振動がした。


「すげぇ、誘導する必要殆んど無かった…」

ゴートが呟いた。広場のほぼ全域が焼け野原となり、魔物達は消し炭になっていた。


「威力が上がっている…?」


成長したのは身体だけじゃなかったようです…



「あららぁー。やってくれましたねー」

シャドと同じようなお化粧をした魔族が現れた。

「あたしがシャド様壱の部下、ルドですわぁー。」

魔物達を従えている。中ボス戦スタートというところかな

「一応、用事はすんだのですが、あなた達を黙らせるとシャド様が褒めて下さいますわね。覚悟ぉー!!」


中ボス戦ですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ