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勇者と少女と変化の指輪  作者: 山口瑛史
変化の指輪と勇者
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部屋割りの変更を申請します!


ラウルのお爺様の浄化に成功させた後、私たちは城下町へと戻ってきた。

一通り報告を終えて、城で歓待を受けて一泊した後、宿へ戻ってきた。明日出発の予定である。


ラウルは、実家なので城に泊まる。ロゼは、隣国のお姫様と言うことで、もう一泊招待されている。伯爵以下、ドーゼンバルフ一族と立合い稽古するらしい。

「このロゼさんは、バラックさんの娘さんで、バラックさんに負けず劣らずの攻撃をなさいます。」

って、ラウルが親族に紹介していたとき、皆さんの目がキラキラしていました。……隣国の姫様を招待というのは建前で、多分に趣味の部分な気がする。遠方だけど公爵令嬢(アリアさん)を招待しないのおかしいし…


宿の部屋は、元々が男の3人部屋と女の3人部屋に別れていた。

カイに関しては、中身がエリスだと言うことは周知の事実ではある。しかし、カイの姿をしている限り、カイとして扱ってほしいと本人の希望があり、またどこからどう見ても少年の姿なので、みんなもそれを受け入れているようだ。


今は、アリアさんと二人でくつろいでいます。

「ご飯までもう少しですね。」

話しかけてみた。

「えぇ、リュウ様が隣の部屋から呼びに来てくれると、思いますわ。」

「アリアさん。お兄ちゃんとは最近どうですか?」

ガールズトークを仕掛けてみよう。

「エリカちゃん。どうって?」

少し赤くなるアリアさん。可愛い…

「お兄ちゃん。優しいですか?」

「ええ。とっても、わたくし、リュウ様のそばにいられて幸せですわ。」

こんなに綺麗な娘がそこまで言うなんて、嬉しいけど、羨ましいな。

「へぇー、そうなんですか。お兄ちゃんとは、この前の時とかうまくいきました?」

「キスをしていただきましたわ。そして手を繋いで朝まで一緒にいましたの。うふふっ」

え…手を繋いで、それだけなの。アリアさんは、真っ赤になってうつ向いている。嬉しそうではある…。

「そ、それだけなの。手を繋ぐだけ…」

「それだけとは?他に、あ、肩も抱いて頂きました!」

うーん。前にリュウがアリアさんと一緒にいて寝不足ぽかったのはそれだな。無垢なアリアさんに手が出せなかったのね。お兄ちゃん、寝不足は煩悩との戦いの結果という訳ね。


「アリアさん。あのですねー。」

その後、ごく軽くアリアさんに男と女というものを説明しておきました。ごくごくソフトなやつ。

「エリカちゃん、物知りなんですね。もしかして、カイさんともう?」

改めて言われると恥ずかしいものだけど、頷いておきました。アリアさんは、少し考え込んでしまったけど、

「私は、リュウ様の為なら何でもできますわ。」



食事は、宿の食堂で4人で食べた。

何となく気まずい。なんだろう。とりあえず、リュウとアリアさんが意識しまくっている。

「どうしたん?」

カイに耳打ちする。

「いや、リュウに聞いたらまだって言うから…」

「私も聞いた。」

うーん。どうしたものか…


食事もだいたい済んだ頃、

「リュウさん。これは、僕が男として提案があるんだが。」

母としてはじゃなくね。

「僕は、明日ソーディアムへ行く。エリカと離ればなれになる。」

そうなんです。寂しいんです。

「だから、部屋割りを変えたい。お二人が良ければだけど…」

えっ。二人きりになれる?

息子達の、恋の進展のためにも?

先に声を出したのはアリアさん。

「わたっ、わたくしは……構いませんわ。」

そこは、男の子が決めんとダメだよ。リュウくん!


リュウが口を開く。

「僕は、カイがエリカと、その、仲良くなるのは、複雑ではあるんだけど…」

リュウの認識だと母と妹だもんね。複雑だなぁ。

「でも、エリカだって恋するだろうし、ならその相手が、他のやつよりマシって言うかなんと言うか…」

何が言いたいんだ。このお兄さんは。

「お兄ちゃん!ここは、お兄ちゃんとアリアさんの問題なの。じゃあ、私はカイと行くから、お兄ちゃんは、私たちの部屋でね!」


…息子に男になってほしくて。

自分が致したいと言うわけではないですよ。いや、まぁ、そうなんですが……。






処女よりも愛を知った方が回復魔法が強くなるという裏設定のため、カイとエリカは一肌脱いでみたんですが…。

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