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勇者と少女と変化の指輪  作者: 山口瑛史
変化の指輪と勇者
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まぁ、女の子になってしまったわけで。

 ・・・とりあえず変身に成功したわけだが、魔力も切れてしまい、できることがない。女の子として暮らすわけなので、着る物や身の回りの物が必要なんだけど、移動魔法も使えないほど、消費してしまった。

 

 今着ている服は、水晶に映っていた時と同じ薄い黄色の長袖のワンピースだった。下着も付けているみたいだ。確認しないとな、。スカートをまくりあげてみる。すごく細い足だなぁ。すぐに折れちゃいそうだ。長い裾のスカートをまくりあげ、なんとか確認できた。普通に女物の下着を着けていた。胸のほうにも、下着を付けている。

 これから、自分の体となるので、体の各部分を確認してみた。30半ばの元勇者のおっさんの体に比べ、すべてが小さく、細かった。ただ発展途上の胸の部分を除いて。

 

 トイレにも行ってみた。男の時とは違って、座って用をたした。いつもと勝手が違ったが、尿を出すことができた。いつもみたいにふって尿を飛ばすわけにはいかないので、拭いておかなきゃダメなんだけど。仕方ないので、大をしたときに使う溜め水で洗いタオルで拭き取った。

 

 この世界では紙は貴重なもので、トイレットペーパーというものはない。トイレには水が溜めてあってそれで洗ったり、やわらかい葉っぱ等を使ったり、いろいろと大変なのです。

布の加工は服、タオル、ベットシーツなど結構いろいろあるんだけどね。キャタピラーって芋虫の魔物が糸をだすので、キャタピラーを家畜のように飼って糸を出させる工場のようなものがあったりして、繊維業は割と発達している。


 いろいろと他にもやりましたが、それはここでは言えないな。恥ずかしいしね。発育途上の女の子の体は、すごく敏感でびっくりしたよ。結局あんまり、強くいじれませんでした。

 


 一日休むと、魔力はある程度回復する。魔力の回復には、睡眠が大事らしい。暗くなってすぐに寝たのけど、起きたのは日もかなり上がってからだった。


顔を洗って、朝ご飯を食べた。男の体と比べると4分の1ほどしか食べれない。食費の節約にもなるなぁ。と馬鹿なことも考えた。顔を洗う時、水に写った顔を見た。まだ幼いがやはりすごく可愛らしい。うーん。俺はロリコンだったのだろうか・・・


 着替えもないので移動魔法で、西の商業大国オーベイトへ飛んだ。目的地は港町であり、キングダムまで続く河があるオーベイト最大の町ナントの商業施設だ。移動魔法は、移動先の場所のイメージが必要で、門や壁等の人口構造物をイメージするのがやり易かった。自然の物は、木とか川とか変化してしまうものが多くイメージと現状の物が違うと失敗していまう。

ナントの商業施設の裏路地まで飛び、歩いて施設へ入ってみた。百貨店のようなところで、ここで揃わないものはないとまで言われている施設なのだ。


 婦人服の店に入ると、20歳くらいの女の人が声を掛けてきた。

「いらっしゃいませ」

少し戸惑ったが、こういうのはプロの人に聞くのが一番でしょう。

「あのぅ。今度、学校へ入るので、服とか下着とか身の回りの物をそろえたいんですけど・・・」

店員さんは、少し戸惑っている。この世界では、10才くらいの女の子が、あまり一人で買い物とかしないものだ。

「あっ、お父さんは、用があるのでおれ・・・私ひとりで買い物してくるように言われて。お金ならもらっているのですぐに払えます。」

「ふーん。それは、大変ねぇ。予算はどのくらいあるのかしら」

予算を先に言うと足元を見られる気もするが、この際少しくらい高くついてもしょうがないだろう。


俺は、金貨を3枚出した。金額にして30000G。今のお金で30万円位の価値がある。女の子の日常品を揃えるには十分な金額だろう。

「あら、結構お嬢様なのね。いいわ。お嬢さんかわいいからおねえさんも頑張るよ」

何をがんばるのかわからなかったが、とっかえひっかえいろんな服を試着させられた。


結局、ワンピース、シャツ、スカートなど10点ほどと下着を上下5セット。もちろん下着も試着しましたよ。成長するだろうからきつくなったらまた買いに来て。だって。

 小物入れや鞄、帽子等も持ち切れないほどの荷物になった。結構サービスしてくれたようだ。

「宿まで届けましょうか?それくらいのサービスはしますわ」

「えっと。宿がまだ決まっていないので、できれば父との待ち合わせ場所まで自分で持っていきたいのですが・・・」

「でも、それだけの荷物持っていけないでしょう。あ、そうだ。これ使いなさい。持って行って構わないわ。サービスしましょう。」

持ってきたのは、赤ちゃんを乗せて運ぶ台車だった。台車に満載の荷物を運ぶ。この体では、台車を押すのですら大変だ。肉体的な力が、全然ないのだ。店員から見えなくなる位置まで頑張って押し、あとは、台車ごと移動魔法で家に帰った。


 なんか、疲れたなぁ。今日は。お風呂にでも入るか。俺が、ここに勇者の家を建てたのは、天然の温泉が湧き出る泉があるからだった。

その泉のそばに家は建っている。泉には小さな滝が流れ込んでおり、泉の水温は40度位に保たれている。ちなみに滝からは、屋根に設置したタンクに水をひいてあり、家の中の配管に落下させることで水道のようなものを作ってある。

火魔法があるので、結構不自由のない暮らしをしていたりする。うん。魔法って便利だよ。電気代要らないし。他にも冷却魔法で冷蔵庫のようなものも作ってある。

 

 おおぉ、気持ちいい。温泉は、男の体でも気持ちよかったが、それ以上の快感を感じた。あるマンガのヒロインがいつもお風呂に入っている理由がわかった気がした。



 


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