この世界の聖夜!!
この物語で一番大切なシーンですっ。
勇者エーターが魔王を討伐して約20年。
討伐した勇者がも望んだもの。それは地位や名誉ではなく、この世界に生きる人々の笑顔だった。
それ以来、勇者に与えるはずだった褒賞金や年金をつぎ込んで、世界中で年末年始にお祭りが開かれる。
もちろん、勇者の褒賞金などたかが知れているが、経済効果による増収、民衆のガス抜き等の効果があり各国政府が、積極的に財政を投入して盛大なお祭りを開催している。
そっ、そうなんだ。。エーター良いやつだな。
まぁ、褒賞金で盛大なパーティーしようって言ったのは本当の話だけどね。
カイと私もお祭りを満喫していた。
露天が多く出ているので、食べ歩いたり
お互いにアクセサリーを買い交換したり。
楽しいっ。楽しいです。
リュウとアリアは晴れて恋人同士に。
ロゼとゴートも良い感じ。
ラウルでさえ、あの3人娘の一人と良い感じになっている。
町中が、飾り付けられてキラキラしてる。
「クリスマスみたい」
思わず呟く。
「クリスマスみたい?」
カイが聞いてくる。
「あ、前の世界の話。外国の宗教の神様が生まれた日なんだけど、皆でお祝いするんだ」
神様だったっけ?まあ、そんなところか。
「外国の神様の誕生日をお祝い?よく分からないな」
…たしかに。説明が難しい。
「あんまり深く考えずに、街を飾って、キラキラさせて、キレイにして、プレゼント交換したり、そして恋人たちはデートするの」
ロマンチックにね。勢いで、続ける。
「でね。その日は、恋人たちは結ばれるって言うのね」
「結ばれるって。アレのこと?」
カイが聞いてきた。2人とも、本当は良い大人である。
「あ、いやっ、まあ、一般論で…」
ドキドキするなぁ。
だいぶ体は成長はしてきたんだけど、まだ心の準備がね。。
でも、そろそろかもしれないなっ。
夜になり、花火やパレードが始まった。
今日は、一晩中お祭り騒ぎなのだ。
「楽しいねっ」
手は繋がれたまま、カイに言う。
「うん。楽しい。この姿になって良かった。ちょっと悩んだんだけどね」
カイが答えた。
「悩んだ?」
「えっと、あなたが大変なことになっているのにね」
「まぁ、そうだったんだけど」
元にはすぐに戻れないけど、体がなくなった訳じゃないしねぇ。
「それでもロゼたちと楽しそうにしているあなたを見てると」
「一緒にいきたくなった?」
「まぁ、そんなところ。リュウのことも心配だったし」
リュウは、ほぼ勇者装備を使いこなせるところまで来ている。
もう少しで、完全にものにできそうだ。勇者装備着ければ、身体強化が、常時発動されるようになる。そしたら、身体強化を全開に開放できるようになる。
私たちは、魔王と戦う力をつけるのに、氷結魔法含めもう少しのところまで来ているのね。
「ちゃんとお礼言ってなかったな。リュウのこと。ありがとう。」
ん、勇者装備の助言のことかな?
「装備のこともだけど、リュウがリーダーとして振る舞えるようにフォローしてたでしょ」
「まぁ、私の子どもでもあるわけだしね」
花火を見ながら、もう何度目か分からないけど、キスをした。
あ、嘘です。23回目!!!
「愛している。エリカのこと本当に大切に思っているよ」
カイが言う。心地よいなっ。
「私も…愛しています。」
本当に大事にしてくれている。
何時も助けてくれるし、甘えさせてくれる。
そう大切にしてくれてるんだ。
だから、ここは私から言わないと
「今日は、離れたくないな。」
顔が見れない。うつむきながら続けた。
「ロゼは今日、帰ってこないはず。」
こんな日も討伐してる。ゴートは付き合わされたけどね。
あ、でも、そうなると彼らもお泊まりなのか…
「エリカっ。それって」
「私の部屋に来て欲しいな。」
とうとう言ってしまった。
ドキドキっ
後半へ続く。
難しいっ。
 




