もしもし亀よ亀さんよ
思った通り。というか、やはりこのパーティは機能する。
ラウルが、攻撃を受け止めて
攻撃は、リュウを中心に
ロゼが近距離のメインアタッカーで
遠距離は私
中衛には、ゴートが入り、様々な攻撃や補助を行う。
後衛は、私だけなので、カイがそばに居てくれてフォローしてくれた。
…嬉しくて、安心だなぁ…
魔法使いとしての立ち回り方を教えてくれる。
「今打ったら、リュウの邪魔になるから、一呼吸おいてから」
とか
「ここは一気に行こう」
「後ろにいる方が、戦闘状況がわかるから。」
エリスの時も、私の邪魔にならんように気を使っていてくれてたんだね。。
魔物は、大小合わせると100匹は下らなかったが、どんどん数が減っていく。
ラウル君のお陰で、被害がほとんどなく戦闘を続けることができている。順調に数を減らしているものの敵の数が多く、時間がかかりそうだったので、リュウが指示を出した。
「休憩をいれるぞ」
ゴートとカイがそれぞれフォローに入り、交代でアリアさんのところへいき休憩と回復魔法かけてもらうことにした。
1時間ほど戦っただろうか、浜辺の魔物たちはほぼ殲滅出来た。
ー海であそびたかったな。
と海を見ると島?が動いてこっちに向かってくる。
「あれ、何?」
聞いてみる。
「ランドタートルかな」
島のような亀という意味らしい。強敵である。
「あれのせいで、浜辺まで魔物が逃げていたんじゃ?」
だとすると許せないな。バカンスを返せってね!
「倒そう。」
「うん、戦いたい」
ロゼはやる気だ。
「危なくなったらすぐに逃げるよ。」
リュウもやる気になってくれた。
どっちにしろ、あれを倒さないと浜辺に平和がもどらない。
亀の魔物は、浅瀬まで来てその姿を現した。
「でかい。」
誰かが言ったけど、幅だけでも10mくらいある。
私達の攻撃が始まった。
「カキッン」
ロゼの渾身の一撃が、甲羅に阻まれる。
私の火玉や真空刃も効かない。
リュウの攻撃も通らず、かろうじてゴートが甲羅の隙間にナイフを刺したが、蚊に刺された程度のよう。
ここは、爆裂魔法かな。
なにかを察したのか、手足を完全に引っ込めて防御の体制。
「あれだと、爆裂魔法でも、ダメだろうね」
カイが言う。魔力の無駄か。
「退くしかないか。」
間合いを取り直して、リュウが言う。
ということは、海水浴できないの?
やだな。
ゲームの定番だと水棲生物はには、雷だけど。膝まで水に浸かっている私達まで感電しちゃう。
あとは、確か亀には冷気か。
この世界の魔法では、氷魔法というのは一般的ではない。エリスが、たまに氷の矢を使うことがあるけれど。
もとの世界でも、温度は上げるより下げる方が難しいと聞いたことがある。
3ヶ月の学園生活で魔法漬けになっていた私は、自由課題として温度を下げる魔法や魔法弾についてを研究していた。
まだまだ完成はしていない。温度を下げる理論が少しわかってきた程度。
でも、このまま逃げるならやってみたいな。爆裂魔法より効果あるかもだし…
「にいさん。皆、少しだけ時間稼いでもらっても良い?」
「なにか方法がある?」
「未完成だけど。試してみたい魔法があるの」
リュウがすぐ決断してくれた。
「よし、次の攻撃をラウルが防いで、みんなで波状攻撃。亀に防御体制をとらせる。亀が攻撃してきたら、ラウルが防ぎながら退却。数分は稼げるかな。これで行こう」
数分か、微妙だけど頑張る!!!
「やってみます」
不完全な魔方陣を完成させるには時間がかかる。
魔方陣はプログラムのようなもの。
魔力をかけると、描いた魔方陣の効果が現れる。
一通り、攻撃を受けきった亀が、突進してきた。
ラウルの防御フィールドが解けて、ラウルが後方へ吹っ飛ばされる。タンクの離脱は、戦線の崩壊を意味する。
「ここまでだ。逃げるぞ!!!」
リュウが叫ぶ。
「できました!!」
魔方陣の最適化ができていなくて、魔力消費が半端無さそうだけど、エリカの魔力量なら。大丈夫なはず。
空中に描いた魔方陣に魔力を込めた。
ランドタートル。
1話で倒すはずでしたが、力不足でした。。
 




