夏といえば海でしょう
「エリカぁ。今度海に行かない」
ロゼが誘ってきた。なんだろ珍しいな。
「海に?行きたい」
夏の必須イベントだよね!
夏が来て、暑くなった。となると海水浴でしょう。
この前手に入れたガイドブック(王都の歩き方)によると、王都に流れる河を南に1時間位下ると海があるらしい。
浜もあって、海水浴が最近の王都民達の余暇の過ごし方のひとつになっている。とのこと。
「なんかさ。海辺がいい感じらしいのよ」
いい感じ?ロゼのいい感じとは??
まぁ、いいか。
「お弁当作って行こっと」
海の家とかあるのかなぁ。でもまぁ、必要でしょう。
「そうだね。腹が減っては戦ができんって言うもんね」
いくさって、あんた何しに行くのさ。バカンスだろ?
「水に濡れても大丈夫な服がいるね。あと錆びるらしいから錆びない武器か」
ん、武器?要るのかなぁ。
でもまぁ、水着はいるじゃんね。
ロゼと来たのは、街のブティック…ではなく、冒険者向けの服屋さん。動きやすく丈夫な服が売っている。
「ロゼっ。ここに水着売ってるの?」
「濡れても大丈夫な服ならここだってゴートが言ってた」
奥の方にはなにやら、ビキニアーマーとかレオタードとか揃えてあるコーナーがあった。
店長の趣味だろうか?
「お嬢さん。何かお探し?」
店員が話しかけてきた。アロハな感じのお兄さんだった。
「水辺で着るやつなんだけど」
ロゼが答える。
「ゴートは露出が多い方が良いって言ってたんだけど、どうなんだろう?」
ゴート。そんなこと言ったんか。。
えっと、グッジョブです。
「はははっ。彼氏さん良い趣味してるねぇ。これなんてどう?」
セクシーなビキニを出してきた。あぶない水着だろ、それって。
…うん、やりすぎだな。ゴートは喜ぶだろうが、私が許さない。
結局、もう少し落ち着いた感じの赤系のビキニタイプの水着に決めたようだ。羽織るカーディガンみたいなのとパレオって言うだっけか、腰巻きも買っていた。
試着したロゼが
「これで露出も多いし、防御もいけるね。凄い動きやすくて良いよ!」
だから、ゴートに騙されてるって。でも、美しいッス。だから良いね。
「水着にも魔力通ってるから全身の防御力上がるようになってるから大丈夫だよ」
店員が教えてくれた。
…魔力、なんでもありだな。
私は、セパレートではあるけど露出少な目の体型が隠れるやつにしておいた。
少しずつ大きくなっているんだけどね。でも、まだまだ。
幼児体型はあまり変わってないし…
「お姉ちゃんは、…うん。似合ってるよ。」
ありがとう。でも
「来年に期待だな。」
聞こえないように言ったつもりだろうけど、聞こえましたよ。
私も期待しているんだけどね。。
とある昼休み。中庭でみんな休憩している。
「海だろ?俺もいくぜ」
ゴートだった。そりゃあ、見たいよな。せっかく素晴らしい助言したんだから。
「カイも行くよな?」
「うん。行きたいかな」
えっ、やった。カイも来てくれる。
でも、4人分の弁当か…大変だ。
「じゃあ行くのは、次の休みね。わたし、お弁当作るね」
「人数分作るの大変でしょう?」
アリアさんだ。
「私も手伝いますので、一緒に行っても良いかしら?」
「アリアが行くなら、僕も行くよ」
リュウも来ることに。楽しくなりそう。
考えていたパーティーが揃うな。親睦深めるのに、ちょうど良かった。
ん、誰か忘れてる?
「あのー。僕も行きたいなー。…なんて」
お弁当の話題やら、海までの行き方やらの話に夢中で、誰も聞いていない。
「荷物持ちます!!お弁当も手伝いますので」
急に大きな声出すからビックリしたよ。
うん。頑張って言えたね。ラウル君。
せっかくだし皆で行こっと!
 




