第八十六話 文化祭前の死闘3
〜旧校舎二階・第1廊下〜
「そうか、この魔法、あの時の魔法を再現したものだ」
「リアさん、何かわかったんですか!?」
「過去、これに似た魔法にかかったのは覚えているか?」
「あの、街がループしたあの魔法ですか?」
「そうだ、どうやら今回の魔法、その魔法のレプリカらしい」
「ではどうやって抜け出せば良いのかわかったんですね!?」
「いや、分かったんだがな、その、抜け出す方法が無い事が」
「え!?どういうことですか!?」
〜旧校舎二階・美術室前現世〜
「さて、無理矢理出てきたのは良いけど、これからどうするかね?」
『なんか、私の体なのにお兄ちゃんなのって変な感じだね』
「しょうがないよ、これしか無かったんだ」
『リアさん達遅いね』
「うーん、紗季の体だからリアの所にワープ出来ないしなぁ」
『ココって第2廊下だよね?』
「ん?まあ、一応な、うーん、あ、あの魔法って霊力でどうにかならないか?」
『ん?どの魔法?』
「デスドアーだよ、デスドアー」
『えーと、あの謎の魔法?』
「おう、ちょっと魔力出してくれ」
『こう?』
「確か・・・××××××!!」
「ん?ここは?」
「お嬢様!?」
〜旧校舎二階・第1廊下〜
「どうするんですか!?」
「どうするって言われてもなぁ、出れないものは出れないしなぁ」
「ん?ここは?」
「お嬢様!?」
「るぅちゃん?どうしたんですか?」
「お嬢様!どうやってここに来たんですか!?それにご主人様は!?」
「まって、まってよ、まてって、俺だよ、優希だ」
「は!?そうじゃんか!!一度現世に帰ればよかったんだ!!」
「それにしてもご主人様、よくあんな超上級魔法が使えましたね?」
「え?デスドアー?」
「違いますよ、あれは黄泉の転移門と言ってデスドアーの最上位魔法です」
「え!?そうなの!?」
「はい、冥王様ですら覚えられない魔法です」
「まじか・・・」
「っと」
「きゃああ!紗季さんが分裂したあああ!?」
「いや!俺が出てきただけなんだが!?」
「きゃああ!優希さんが二人いるううう!?」
「いや!ここ霊界だから!俺外に出れるから!?ってか片方優希だから!!」
「麻紀、落ち着け!そう!素数を数えれば!!1,2,3,4,5,6,7,8,9,10!!よし!」
「リア、全然良く無いから、それ自然数だから!」
「きゃああ!優希さんが2人いますわ!!」
「ベルゼ?」
「酷いじゃ有りませんの!私を置いて行くなんて!」
「すまない、だが、ベルゼがいるなら解るか、この魔法なんだが」
「これは、あの時の魔法の、レプリカですの?」
「うむ、そうらしい」
「なら簡単ですわ、こう、すれば、はい、通れますわよ?」
「おお!さすがベルゼ!」
「ですが、この程度の魔法、お姉さまなら解けたのでは?」
「それが、おかしいんだ、この魔法、あの時の魔法を忠実に再現されている」
「ですから私が・・・」
「あの魔法も、この魔法も、かけた本人しか解けない魔法だ、それなのに、なぜ解けた?」
「あ、あ、あああああああああああああ!!??」
「チェックメイト、だ祐希、見てるんだろ?このホモやろう」
「dark G laviton」
「きゃああ!」
「紗季!?」
「ベルゼ!何故!?お前の契約者だぞ!?」
「契約者?何を言ってますの?私のマスターは、マイマスターは祐希様だけですわ?私はマイマスターのためだ、け・・・」
「ベルゼ?」
「離れて、くださいまし」
「離れられる訳、ないじゃない」
「優希?」
「貴女をもう離さないって、一人にしないって決めたから」
「ウチはどうなってもええ!せやかてウチの大事なマイマスターを!親友を傷つけたくないんや!」
「ベル・・・」
「紗季、ウチを、倒して?お願いや」
「分かったよ、キュアリープリズム!」
「ありが、とう」
「さて、とっととぶっ潰さなくちゃなぁ、じゃねぇと、俺の気がすまねぇ!!」
続く