第七十五話 衝撃の真実
「山田優希は男だと聞いていましたが、いいえ、今は関係無いです!忌々しい生徒会長の手下なら容赦無く行きます!」
「踏切が早い!?」
「そんなスピードでは私のラッシュは避けられないです!」
「早いけど、まだまだ!」
「カウンターですか?無駄です、パワーがいくらあっても当たらなければいみぎゃ!?」
「要するに当てればいいんでしょ?」
「物理戦の途中で魔法を使うのはズルです!タブーです!」
「あら?なら貴女も魔法を使えばいいじゃ無い?」
「貴女もそんな事を言うんですか!結局はあの忌々しい生徒会長と同じ意見なんですね!」
「生徒会長の意見がどんな意見だかしらないけどね、勝手に悪い意見だと思い込むの、どうにかしたら?」
「・・・ひとつ聞きます、貴女は全く魔法が使えなかったらどうしますか?周りの人達は皆魔法が使えるのに、自分だけ使えない、そんな劣等感の中なら、貴女は努力しますよね?」
「そうね、確かに努力はするわね」
「そして、その努力の行き着いた先が自分の信じる道とは外れていた、または、やりたくない方法でしか糸口がないとしたら?貴女はそれでも努力しますか?それとも、やりたくない方法だとしても実行しますか?」
「私だったら才能を努力で補えないなら諦めるわ」
「私は諦めたくない、周りからどんなに馬鹿にされようが、悪に染まろうが、諦めたく、無いんです、だから、だから!私は!」
「貴女、色々勘違いしてない?」
「勘違いでもいい!だから!」
「分かったわ、貴女、魔力が無いんでしょう?」
「・・・そうです、私には魔力がありません、だから魔法が使えない、どんなにスポーツが出来ても、どんなに頭が良くても、魔法が物をいうこの学校では私はただの劣等生でしかないんです。」
「貴女、魔力って知ってる?」
「知ってますよ!魔力とは、負の力、だから、私は魔力のために、なんでも魔法が物をいうのが間違っているということを正すために、私は、私は」
「30点ってところかしら?」
「何が間違いなんですか!」
「魔力はひとつじゃないのよ?魔力には負の魔力、正の魔力があるの、正の魔力というのは限られた人しか使えないし、知ってる人も指で数える程度、ましてやこの学校では、能力を見出された特別な人しか知らないわ」
「特別な人、ですか?」
「そう、もともと正の魔力と負の魔力は天秤にかけられたようにバランスを保ってる、貴女、先生にいきなり風紀委員長任されたでしょう?」
「はい、そうです」
「負の魔力で、力が強い者は生徒会に、正の魔力で、力が強い者は風紀委員に選ばれるのがこの学校なの」
「では、今までしてきた私の行動は?」
「そう、全部無意味な行動なの」
「そんな、私はただ、それに、貴女は、何者?まさか、山田って、あの、理事長の」
「そうね、理事長の子供」
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「紗季!グットタイミング!」
「ふぇ?」
つづく