第七十三話 魔力の魅力
「にしてもなんで反対するようになったのかしら?」
「わかんないけど、反対するようになったのは急だったよ?」
「前触れもなく?」
「うん、ある日突然憎いって言い出して・・・」
「うーん、憎いねぇ」
「何かわかった?」
「もしかしたら、マリアに頼めばなんとかなるかも」
「マリア?」
「ま、来たらわかるよ」
〜体育館〜
「いいか!?ドッジボールっつーのは、球を投げる時のコントロール、球を取るための反射神経、速い球を投げるための筋力、そして俊敏さを必要とする案外深いスポーツなんだよ!!たかが遊びだと思ってっと痛い目見るぜ?」
「あれ?マリア、ヘアピンは?」
「ん?なんだ、優希か、ヘアピンならつけてるぜ?ただ、体育教師だから大人しいとおかしいだろ?」
「なるほど、ところで、旧風紀委員会の事、知ってる?」
「旧風紀委員会?あー、境原を中心とする不良グループだよな?」
「うん、で、その旧風紀委員会のリーダーである、境原麗奈がある日を境に突然周りを憎みだしたんだ」
「なるほど、それで私と関係があるかを調べに来たのか」
「まあね、立ち話もなんだから向こうに行かない?」
「ああ、いいぜ?」
〜中庭〜
「それで、今回の事件が私に関係があるか無いか、でしたよね?」
「うん」
「結論からいえば、関係は少なからずあると思います」
「え?本当に?」
「はい、あ!直接関係してる訳では無いですよ?あくまで間接的にです」
「まさか?魔力の耐性?」
「いえ、その可能性は低いと思います」
「じゃあ何?」
「彼女は私の魔力を吸収しているのだと思われます」
「吸収?」
「はい、私は元の魔力量がかなり多くこのヘアピンで、無限に湧き出る魔力を外に放出しています、なので、その放出された魔力を知らぬ間に吸収しているのだと思います」
「じゃあどうするの?」
「簡単ですよ、吸収できなくなるまで魔力で満たせばいいんですよ」
「危険じゃないの?」
「そうですね、注入している間、魔力に耐えきれず暴走するかもですが、一番安全な方法です」
「ほかの方法は?」
「彼女を・・・殺すしか無いと思います」
「殺すって!?」
「はい、殺すんです、しかし、殺したあとに魔力がどう影響するかがわかりません、下手したら魔力のせいで化け物として生き返ることもあります」
「そうしたら?」
「結論からいえば誰にも止められない怪物になります、神でさえ、無理なほど」
「魔力で?」
「はい」
「なら、これからどうするかは決まったわね」
「そうですね」
「さあ、行きましょうか、敵の縄張りに」
続く