第七十一話 説明、生徒会長の正体
「成る程、優等生ゆえの問題か」
「そうね、ざっと言えばそうなるのかしら?」
「しかし、ひとつ気になるのだが、その猫を被ったような話し方はどうにかならないのか?」
「それを言ったら貴女だってそうじゃないの」
「こ、これはだな、生徒会長としての威厳を・・・分かった、降参だよ」
「そうこなくちゃ」
「なんか吹っ切れちゃったな、いつもは生徒会長だから威厳を持って話さないとって、ちょっと無理してるから、内心、気楽に話したいなって、思ってたし」
「山田君とはどういう関係なの?」
「え?なんて言うか、幼馴染だし、ちょっとアレな所もあるけど、根は優しくて」
「好きなんだ?」
「え!?いや、す、す、好きとか、嫌いとか、そういうのじゃなくて」
「正直になっちゃいなよ」
「・・・です」
「え?聞こえない」
「好き、です」
「だって」
「お前・・・」
「け、けー君!?いや、今のはそんなじゃなくて!」
「騙してすまん、だが、これだけは言わせてくれ」
「な、なに?」
「俺は生徒会長、いや、暴食愛生が好きです、付き合ってください」
「・・・はい」
「ん?ちょっと待って、いいムードの所悪いんだけど、生徒会長、名前、なんていうの?」
「暴食愛生だけど?」
「ちょっと待ってて」
「?」
「優希、呼んだ?」
「リア先輩?」
「リア、暴食って苗字に心当たりは?」
「えっと、お父さんの弟が暴食って苗字だよ」
「子供は?」
「人間と結婚して、今は娘が一人いるとか」
「リア先輩、叔父さんの娘だったんですか?」
「愛生ちゃんなの?」
「はい」
「わぁ、こんなに大っきくなって、ちっちゃい赤ちゃんだったのに」
「あれ?でもおかしく無い?リアは518年生きてるのに愛生ちゃんは少なくとも16年よね?人間何だもの」
「それがね、なかなかいい相手が見つからなかったらしいのよ」
「成る程ね」
「リア先輩は学校の七不思議のひとつになってるんですよ?」
「どんな?」
「高校卒業してるはずなのに生徒名簿に載ってたり、いきなり神隠しにあったり、とある生徒の使い魔って噂も」
「あ、それ、全部本当だわ」
「え?」
「誰の使い魔になったんですか!?」
「目の前にいるじゃない」
「紗季さん?」
「違うよ?」
「優希さん?」
「惜しいかな?」
「もしかして・・・」
「男の方よ?でも、今の優希君でも契約になってるけど」
「体が女なだけだしね、ま、半分は優希だけどね」
続く