第七十話 生徒会長
「全く、酷い目にあったぜ」
「悪いと思ってるからこうして女になって学校にきてるんじゃないの、なんか文句あんの?」
「悪いと思ってるなら俺に胸をさわ・・・ぐふぇ!!」
「くどいよ?なんならまたロッカーの中に閉じ込めてあげようか?」
「すいません、黙ります」
「ならよろしい」
「ちぃ、女になっても優希は優希ってか」
「そうよ?私は私、いっつも変な妄想をだだ漏れさせてる山田は山田」
「けっ、俺のこと君付けですらよばないなんてな」
「あら?妄想をだだ漏れさせてる所は否定しないの?」
「は?事実を否定してなんになるんだ?」
「はぁ、これだからあんたはモテないのよ、ルックスは良いのに、勿体無いわ」
「失礼だが、山田優希君はいるか?」
「うげっ!?生徒会長じゃねぇか!」
シュン
「ん?」
「あ、けー君!」
「やめろ!ってか性格!」
「ふぇ!?・・・んっん!すまない、所でけーく・・・圭太君、山田優希君は何処に?」
「こいつだ」
「嫌だなぁ!けーく・・・げふん!!嘘を言うな優希君は男だぞ?」
「いや、冗談じゃないって」
「ならば貴女に問うが、貴女は誰だ?いや、すまない、貴女は確か山田紗季さんだったね、紗季さん、お兄さんはどちらに?」
「紗季なら私ですけど?」
「・・・わたしは疲れているようだ、紗季さんが二人見えるのだが?」
「ねぇ、お姉ちゃん、この人誰?」
「生徒会長よ」
「解ったぞ!山田優希!お前は変態だ!」
「あら?物騒な物言いね?変体の間違いじゃないのかしら?」
「ふん!妹に制服を借りて女装して学校まで来るとはいい度胸だな?だが、ここは学校だ、ましてや私は生徒会長、学校内の風紀や威厳を守る立場の私の目の前でも平然としているその態度!間違いない!今回の事件、お前が原因だな?」
「あら?今回の事件ってなに?」
「とぼけるな!まずはその服を脱いでちゃんとした姿に着替えて来い!」
「随分と理不尽ね?いいわ、男子制服に着替えればいいのでしょう?」
「お姉ちゃ・・・行っちゃった」
「貴女も貴女だ、なぜ兄を変態だと知っていながら協力する?」
「お姉ちゃんは変態じゃない!」
「ならなぜ優希は女装をしていた!」
「あら?女が女物の服を着たらいけないの?」
「・・・貴様、私をおちょくっているのか?」
「おちょくるもなにも、私は貴女が男子制服を着ろと言ったから着ただけよ?」
「なら私が直接!」
「会長!?」
「お姉ちゃん!?」
空き教室
「さあ!脱げ!男じゃないなら証拠を見せろ!」
「・・・脱いだわよ?」
「こっ、これは・・・?」
『悔しい!私より大きい!こんな変態に負けるなんて!』
「あんまりジロジロ見ないでくれない?いくら女同士とはいえ恥ずかしいわ」
「つ、次は下だ!」
「はぁ、予想はしてたのだけれど、まあいいわ、はい、これでいいでしょ?」
「・・・一つ確認したい、お前は本当に山田優希か?」
「ええ、正真正銘、山田優希よ?」
「ゆき?ちがう、優希だ、優しいに希望の希と描いてゆうきだ」
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「紗季、私は大丈夫だけど」
「優希君は何処だ?」
「これって、まさか」
「一から十まで説明でしょうね」
続く