第六十話 バーサク
優希side
「紗季、修行って詳しくは何をするのかな？」
「…」
「紗季？」
「…黙って」
「え？今なんて…」
ガシュッ！
「！！」
「…五月蝿いのよ、このカス兄が」
「ど、どうしたのよ？」
「どうしたもこうしたもどうでもいいから死ね！」
「ちょっと！」
ガキンッ！
「っち、しぶといなババア」
「紗季…」
紗季side
「ねぇ、お姉ちゃん」
「…」
「お姉ちゃん？」
「五月蝿い」
「へ？」
「消えろよ、主人公は一人で十分なんだよくそが」
「お姉ちゃ…ぐふっ」
「ほら、さっさと死ねよ」
「なんで？私、刺された？誰に？お姉ちゃんに？違う…」
「しぶといな…消えろって言ってんだよ」
「あなたはお姉ちゃんじゃない…」
「はあ？ついにぼけたか？」
「なんだ、何も刺さってないじゃん、じゃあこの痛みは？」
優希side
「魔法が使えない…くっ！」
「もう、早く死んでよ、お姉ちゃん！」
「…紗季！ごめん！」
ぐさっ
「はぁ…はぁ…」
「ぐふっ…なんで？私、刺された？誰に？お姉ちゃんに？違う…」
「紗季、お願い、目を覚まして」
「あなたはお姉ちゃんじゃない…」
「紗季、私よ？優希よ！ねぇ、お願いだから目を覚ましてよ！」
「なんだ、何も刺さってないじゃん、じゃあこの痛みは？」
「何言ってるのよ紗季！」
紗季side
「死ね！死んでしまえ！」
「幻痛じゃない、見えないけど刺さってる、これは、惑わしの魔法？」
「だったらどうする？」
「ぐっ…」
「バカなの？自分に刺さった武器抜いて何をしようと…ぐはっ」
「惑わしの…根源を消せば良いのよ」
「紗、季…」
「…うそ、幻じゃない、じゃあ、私が刺したのは？」
「やっと…目を覚まして…くれ、た」
「お姉ちゃん！」
優希side
「幻痛じゃない、見えないけど刺さってる、これは、惑わしの魔法？」
「目を覚ましてくれたのね？」
「ぐっ…」
「紗季！？そんなことしたら血が！待ってて！今治療を…ぐはっ」
「惑わしの…根源を消せば良いのよ」
「紗、季…」
「…うそ、幻じゃない、じゃあ、私が刺したのは？」
「やっと…目を覚まして…くれ、た」
「お姉ちゃん！」
「私より…自分の心配を、して」
「私よりお姉ちゃんの方が重症だよ」
「そう…な、の」
「お姉ちゃん？お姉ちゃん！…脈はあるけど、これじゃ治療薬が無くちゃ助からない…」
「…」
「これは…治療薬？そっか、ナイフを抜いた私を助けようとして…ありがとう、でもこれを使えば」
数分後
「…ぅ」
「お姉ちゃん！？」
「…紗季？」
「良かった、ごめんね、お姉ちゃん」
「いいの、幻術にかかってたのはお互い様だから」
「優希君、どう？修行は？」
「リア？」
「お二人とも随分ズタボロですのね」
「あはは、ちょっとね」
「修行とはいえ、突然お二人にバーサクを架けてしまい申し訳ありません」
「バーサクと言うと…」
「憤怒の影響を具現化させた魔法です、傲慢のバーサークと違いまるで幻術にかかったような効果を発揮します」
「憤怒と言うことは…」
「申し遅れましたね、私の名前はラーシェルナ=サタリードと申します、以後お見知りおきを、時期魔王様と天使長様」
「貴女がラーシェルナさん？」
「ラーシェとお呼びください」
「わかりました」
「それと、申し上げる事が一つございます」
「な、なんですか？」
「時期魔王様、貴女の使い魔にしてください」
「ちょっと！ラーシェお姉ちゃん！優希君は私の彼氏なんだから！」
「何もそこまで怒らなくても良いじゃないの、ただの契約よ、告白なんてしてないわ」
「で、でも、契約にはキスしなくちゃいけないのよ？」
「リア、使い魔の契約方法で多重契約の方法はどんなだった？」
「えっと…杯の交換、あ！」
「貴女が使い魔として契約している限り杯の交換でしか契約方法は無いのよ？」
「そうだった」
「ところで優希さん？貴女はお酒は飲める？」
「飲めません」
「まだ18だものね」
「はい」
「杯の中はジュースでも契約交わせるぞ？」
「そうなの？」
「私この前したし」
「マリ姉！いつの間に！」
続く
