第四十五話 矛盾と生物災害
前回の事件、まだ続いてます
「なんにせよ無事に解決だね!」
「いいえ、なにも解決してないわ」
「え?」
「そもそも、なんでゾンビ編は終わったはずなのにまたゾンビが出てきているの?そしてなぜ急に居なくなるの?」
「そう言えばそうですわね」
「ベルは心当たりありますか?」
「いいえ、ありませんわ…しかし、お姉さまの魔力がゾンビに宿っていましたの」
「…そこは私も気になってた」
「ふむ、二人には解らない、しかし気になりますね、リアの魔力、だけどリアが魔力を最大まで出してもこうはならないはず…ならどうして?」
「…私が二人居るってこと?」
「そうね、その可能性もありますね…ここは私より優希さんの方が良さそうです」
「賛成ですわ」
「…っと、話をまとめるぞ、今回の事件は過去に起きた事件に酷似している、まずゾンビは魔力が働いている、そしてその魔力はリアの魔力、さらにリアは自覚をしていない、もしくは別にもう一人リアがいる」
「…つまり?」
「…パラレルワールドだよ」
「まさか!!あり得ませんわ!悪魔は時空間の波の影響を受けないはずですわ!」
「それは悪魔や天使の魔力が影響を受けないような性質を持ってるからだ」
「それとお姉さまが二人になるのとは関係ありませんわ」
「だから言ったろ?パラレルワールドだよ、つまりリアがパラレルワールドを作ってそこに逃げた、そこで俺達に倒されたことによって仮契約が成立、魔力が共有された、更に仮契約された時点で前の契約者との契約は強制的に解除、パラレルワールドが崩れこの世界と一体化、つまりリアの魔力に似た魔力を持つ者がこの世界に迷い込んだ、更に俺達が過去に行っている間にそいつが別の世界のリアと契約したらリアが二人居てもおかしくない」
『リア、話を合わせろ』
「!…参りました、まさかそこまで推理出来るなんて思わなかったよ」
「お姉さま…?何を」
「八割正解だよ、だけどね、私は二人いない、そこが間違いかな?」
『ってこと?優希くん』
「お姉さま…」
「…私から一つ命令があるわ」
「何だ?内容によっては聞けないがな」
「…私から、逃げて」
「どういうことだ?」
「いいから、逃げて」
「…すまないがそれは出来ないな、俺はリアの契約者だから」
「いいから逃げて!」
「お姉さま!?」
「私はもう、あなたとの契約を破棄します」
「お姉さま!」
「ふふふ、それでこそ私の使い魔、ねぇ、ヴァリア」
「かかったね」
「ああ」
「え?なにがですの?」
「ベルゼ、私と紗季と優希くんで敵を誘き寄せてたの」
「は!?まさか、罠?」
「気づくのが遅いんだよ、沙紀」
つづく