第四十三話 ゾンビ再び2
「しかし、学校ってこんなに遠かったか?」
「そんなに遠くないはずなんだけど、それに…ずっと同じ道を繰り返し通ってるような」
「よし、こうなったら」
「なに?」
「紗季、ここになんか目印になりそうなもの置いてくれ」
「じゃあ私のパ」
「脚下」
「えぇ、なんで?」
「卑猥なもの禁止」
「じゃあブ」
「それもダメだ」
「私の下」
「総合してもダメだ」
「…じゃあこのうなぎの髪飾り置いとくよ」
「おう!…って、うなぎ!?うさぎじゃなくて?」
「名古屋に行った時に」
「…まあいい、いいか?いまから真っ直ぐ歩くぞ」
「え?あ、うん」
「よし、いくぞ」
「…あれ?ずっと真っ直ぐ進んでたのに」
「リア、ここに立っててくれ…って、どうした?」
「…やっと名前を呼んでくれたのに、もう置いていかれるの?」
「わかった、ベルゼ、お願いしても…ってあれ?」
「居ないね」
「あいつ、どこだ?」
「…!べ、ルゼ?」
「…まじかよ!?」
「オォネェサ…マ」
「…酷いよ、こんなの」
「シャワー、アビ…タイ、デス、ワ」
「残念だけど先に行くしか…」
「ケチャップ、ベトベトします…わ」
「ああ、残念だけどな」
「お、置いていかないで」
「ああ、残念だが、ケチャップまみれのまま先に行くしか」
「…紛らわしいね」
「同感ですわ」
「あ、雨だ」
「ベルゼ、傘いるか?」
「ケチャップ落としたいからこのままでいいですわ」
「そうか」
「…って!なんかこの雨マヨネーズ臭いですわ!」
「だから傘いるかって聞いたんだが?」
「それを先にって!ねぇちゃんなにやっとん!?」
「一度やってみたかったんだ、マヨネーズの雨」
「…行くか」
「…うん」
つづく