第三十六話 病み病みパニック!? 前編
「お兄ちゃん、起きてる?」
「ああ、起きてるよ」
「ごめんね?こんな夜遅くに」
「いや、別に?」
「…お兄ちゃん、何してんの?」
「いや、ほら、あいつは幼馴染みだし、外で食うなんて普通だろ?」
「…おーい」
「そんなの私のお兄ちゃんじゃない!!」
「ちょっと!!」
「うお!?本当に衝撃が!!」
「…ダメだこりゃ」
「…って、紗季か、脅かすなよ」
「いや、それはこっちのセリフなんだけど、と言うより何?それ」
「これか?これは今ちまたで有名なヤンデレっ子CDだが?」
「…え?そういう趣味なの?」
「ちげぇよ、祐希からあるものを条件に借りた」
「…アイツ、見損なったわ」
「それは解るわ…それで?なんか用事か?」
「あ、そうそう、お兄ちゃん、私のパンツ知ら」
「知らない」
「…即答ね」
「すまんな、ずっとここに居たもんだからな」
「…何か隠してない?」
「そんなわけないだろ?誰が好き好んで妹のパンツを祐希にあげるんだよ?…あ」
「…へぇ、その話、詳しく聞かせてもらおうじゃないの?ねえ、お・に・い・ちゃん?」
「ぎゃああああ!!」
「的な事ないかな?」
「…麻季、腹黒すぎだぞ」
「すいません」
「…お兄ちゃん、薬ない?」
「ぎゃあああ!本当に起こったあああ!!!」
「?」
「…っとすまん、あまりのタイミングについ」
「いや、いいよ」
「てかどうした?風邪か?」
「うん、調子悪くて」
「どれ…うーんすこし熱っぽいな?」
「やっぱり?」
「とりあえず、ほれ、薬」
「ありがと」
「体大事にしろよ?」
「うん」
「…あれ?なんかおかしいような?…まあいいか」
この時俺は気づかなかった、このおかしい状況に…