第三十四話 不純物 前編
優希side
「それにしてもお兄ちゃんがお姉ちゃんになっちゃってしかもブラのサイズが双子の私より大きいって、一体どういう訳なの!?」
「知るかよ、朝起きたら女になってたんだから」
「それが問題なの!女になっちゃったからこそ今からブラを買いに行こうってなってるんだから!」
「だからってなんで紗季の下着を着なきゃいけないんだよ?」
「私の方がお母さんよりサイズが大きいの!」
「…はぁ」
「準備出来たなら行くわよ!」
「ちょっとまてって!」
ガチャ
「え?だれ?」
リアside
「え?だれ?」
「私は優希の友人なんだが、いるか?」
「あ、ごめんなさい、今は…」
「女になってしまっている、じゃないのか?」
「!な、なんでその事を!?」
「その事を解決しに来たからな、当たり前と言えば当たり前なのだが」
「元に戻せるんですか!?」
「ちょっと失礼」
「え?」
「我はグラトニル=ヴァリアノイド、誇り高き暗黒龍なり、今ここに、記憶を捨てられし紗季に、記憶を返すときなり!」
「!?」
「もう大丈夫だ」
「リアさん…私とした事が、時空の波に飲まれるなんて…」
「あれは緊急事態だったからな、仕方ない」
「あれ?でもお兄ちゃんは…」
「私と体が入れ替わった状態で時空に溶け込んだんです」
「じゃあ、お兄ちゃんは元に…」
「大丈夫だ、私がいる」
「リアさん」
「紗季、まだか?」
「お兄ちゃん」
「誰だ?知り合いか?」
「優希、すまない」
「!?」
「我はグラトニル=ヴァリアノイド、誇り高き暗黒龍なり、今ここに、記憶を捨てられし優希に、記憶を…」
「どうしたの?」
「優希、お前、いつ頃からだ?」
「…ああ、バレたか」
「もう一度聞く、いつ頃から記憶が戻っていた」
「うーん、そうだな、紗季の成長した胸を見てからか?」
「へあ!?」
「優希、お前も地に落ちたな」
「妹の事が性的に好きな祐希さんには言われたくねぇな」
「うっ!」
「え!?本当なの!?」
「とりあえずメンバーが揃ったんですからいいじゃないですか」
「ああ、あとは作者だ、あのバカ、俺達に嘘ついてやがる」
「どういう事ですか?」
作者side
「そろそろ、不純物を取り除かないとなぁ、じゃないと俺の大事な作品が腐るんでね」
「腐るなんて言い方はひどいなぁ…まるで俺が”世界を腐らせている”みたいな言い方だよねぇ」
「ちがったか?」
「腐らせているんじゃない、破壊しているんだよ」
「俺からしたらどっちもかわらねぇよ」
「そうかな?まあ、楽しく殺ろうよ、お互いに」
後編につづく