第百十二話 リリスとアスモデウス
「姉さん、居る?」
「リリンス?待ってね、今服を着るから」
「あははは、姉さん、また裸だったんだね?」
「リリー、笑う所じゃないぞ?」
「いいわよ?」
「全く、莉凛は何度言ったら服をって、下着じゃないか!!服を着なさい!服を!」
「定孝さんだってたまに褌で過ごしているじゃないですか」
「船の上の話だろう!?」
「それよりも、何しに来たのですかしら?」
「姉さん、貴女の孫に虚栄の魔力をあげてください」
「優希?あら!おっきくなったわね!」
「莉凛よ、なぜ真っ先に胸を見て言ったんだ、いや、分かるが・・・」
「あ、そうそう、魔力渡す前に、ラト、アスモデウスの行方は?」
「しっかり確認したぞ?肉体と魔力が分離した後、残った魔力体からちょっとずつ魔力が減っていたな?それを食い止めていた訳じゃが・・・」
「なによ?」
「食い止めたのが間違いじゃった、とでも言うべきか、流石リヴァイアサンの妹よ、肉体はしっかり未来に飛んでおった、それも、主の孫の友達の使い魔としての・・・」
「それでは?」
「今はオックトンという名前で未来に居るじゃろ、わしの孫が消し炭にしかけて危うく消滅するところじゃったが・・・」
「まさか!アレが!?」
「傲介は気づかなかったようじゃが色葉は気づいていたようじゃの、元に戻る方法は教えなかったのではなく、無かったのじゃ、デフォルメ姿じゃからの」
「あのタコが!?」
「いんや、あれはピンク色じゃが、どちらかと言えばイカじゃぞ?クラーケンじゃし」
「それじゃあこの封印は解いていいのね?」
「いや、そろそろ来る頃じゃ・・・」
「漆愛、久しぶりですね♪」
「美香姉ちゃん!?」
「お母さん!?記憶は!?」
「ええ、きちんと戻りました、というより、改変されてません」
「え?」
「少し、昔を思い出そうとするとノイズが走る程度だったの、それより、愛生と圭太を連れてきたわ、もちろん、彼女もね」
「すごい!この結晶なに!?」
「・・・お前の魔力と記憶じゃ」
「ふふん!これを吸収すれば私は完璧になれるのね!」
「俺は大丈夫なんだろうか・・・」
「安心せい、主なら大丈夫じゃよ」
「・・・思い出しましたぁ、で、でも、恥ずかしいですぅ」
「うわ、アスモデウス変わりすぎだろ」
「めっちゃ恥ずかしがってる・・・」
「マリアみたいだな・・・」
「私こんなんか!?」
「リアさんには迷惑かけましたぁ・・・あ、あんな事や、こ、こんな事までぇ!!」
「いや、構わないが・・・」
「ゆ、百合な同人誌みたいな!しかも、しょ、触手プレイなんて!うへへぇ・・・は!すいません、つい自分の欲が!」
「前言撤回だ、、やっぱ違うな・・・」
「さて、凛ねぇ、ありがとうです!」
「家族ですもの、当然よ」
「グラねぇも、ありがとう!」
「何のことかの?」
「私が復活したからには皆安心です!それに、素敵なダーリンも!」
「お、俺か!?」
「ちょっと!けーくんは私の彼氏よ!」
「知ったことないです!NTRです!燃えて来ました!」
「ぐぬぬぬ・・・」
「はいはい、そんな事より、私の魔力を継承しに来たんでょう?」
「うむ、そうじゃ」
「でもね、もう受け継がれてるのよね」
「そうなのか!?」
「ラーシェルナは吸収したわよね?」
「はい」
「ならよし、あ、でも一つだけ、優希はラースを吸収したのかしら?」
「それについては問題ないよ、霊力もきちんと渡してきた」
「あら、ラース居たのね」
「それでは!魔力の継承が済んだところで、こちらの戦力の確認じゃ」
「まずは傲慢ね、これは息子の優希が引き継いでるわ、覚醒するのは後だろうし、何よりも、人質だから戦力として機能するか・・・まあ、霊力があれば大丈夫だとは思うけど・・・」
「虚栄はさっき言ったとおり、覚醒待ちよ、旅の途中で覚醒するのは間違いないとおもうわ、何より、私が直々に鍛えるんだから」
「憤怒だが、こちらは覚醒済みだ、暴走したラースを止めた時、正直私以上の力を感じた、何も言うことはあるまい」
「暴食じゃが、ここに来る前に継承済みじゃ、わっちの生まれ変わりならば何も言うまいて」
「し、色欲は、色葉ちゃんに変わって私がいますぅ、私は未来に居るので、改めて継承しなくてもいいかとぉ」
「強欲も同じや、如何せんこの時代のルール、知っとるのはウチだけやしな、ほんまに面倒い役回りやて・・・ま、よろしゅう頼んますわ」
「んっん!嫉妬だが、わらわの継承無くして天才的な魔力の才に溢れとる、継承する必要はないでの、省略させてもらう」
「憂鬱は娘が"私から"受け継いでいます、実に爽快な事ですね、怠惰は・・・」
「遅れて悪いな、なにぶん過去に戻るなんて初めてだったから戸惑っちまった、で、怠惰だが、無事継承した、正直再開できるとは思って無かったが、2度も娘に救われるとは、情けない父親だな、しかも、復活後も娘が上司と来た、全く、誰に似たんだか・・・母親の顔をよーく見てみたいぜ」
「お父様、娘の前でのろけないでください」
「冗談だよ」
「あれ?過去のバアルはどうした?」
「私が未来から来た時現世に行きました」
「さて、それでは、リリアの手がかりを探すかの」
続く