第百十一話 九つの大罪
「初めまして、虚栄の悪魔2代目、リリンスです、リリーって呼んでください」
「さて、未来のわっちは今頃戦いの準備中じゃろうが、ふむ、なかなか面白いのう、所で、バアルに会ったという事は、もう伝えたのかの?」
「はい」
「さて、向こうでは最終局面じゃが、恐らくは主らが居なくては先に進まんじゃろ、それに、アスモデウスとマモンは未来に居るしの、虚栄はリリー、ではなく義姉がやってくれるじゃろうし、ルシフェルは今向かってきとる、サタンは、まあ、海で釣りしとれば釣れるじゃろ」
「もう、義兄さんの事をあまりいじると姉さんが怒るよ?」
「心配ないわ、それよりも、エンヴィー、なぜ隠れとる?」
「なぜバレた!わらわの姿隠しは完璧だったはず!」
「従姉妹の魔力位分かるわい、それとなぜお主も隠れとるんじゃ?」
「いえ、人見知りなので」
「マリア、ヘアピン外せよ・・・」
「ははは、面白いねぇ」
「リリー、笑うところではないぞ?さて、虚栄の前に先に嫉妬をやるかの・・・っ!?」
「なんだ?鳩が水鉄砲食らったみたいな顔して、私の顔になんか付いてるか?」
「マリア、それを言うなら豆鉄砲だ」
「お主、その髪留めで魔力を抑えておったのか?」
「ククク、わらわの子孫は逸材だの」
「そうじゃな・・・まさか、主らも従姉妹同士か?」
「そうだが?」
「なるほど、マリアとやら、主は紛れもなくエンヴィーの生まれ変わりじゃ、驚いたわい、これは、任命だけでいいかもしれんのう」
「だの、マリア、お前は直々に嫉妬の代表として皆を束ねよ」
「はーい、ったく面倒臭いなぁ・・・」
「そう言いながらきちんと帳簿付けてるところがマリアらしいが・・・」
「さて、ルシフェルだが・・・」
「合流ついでに新鮮な魚釣って来たわよって美香姉ちゃん!?行方不明って過去に飛んでたの!?」
「え、誰?」
「あ、そうか、記憶を改変されてるんだっけ?私は貴女の妹の山城漆愛よ!」
「あ!漆愛おばさん!お母さんから話は聞いてます」
「変に記憶改変されたのね、まるで紗季ちゃんみたい・・・」
「あの、おばさん」
「優希ちゃん!?おっきくなったねー、幼稚園ぶりかな?覚えてる?息子が迷惑かけてごめんねぇ?おろ?でも妹の紗季ちゃんは?」
「いや、さっき話しかけてたのが紗季です」
「え!?すごい!美香姉ちゃんそっくり!」
「おい、漆愛、お前も美香にそっくりだろうが」
「魚が喋った!?」
「紗季、おじいちゃんの悪魔姿を見て驚きすぎだ、良くお風呂で見ただろう?」
「え・・・?」
「もしかして、知ってるのはこのデフォルメ姿か?」
「あ!ペットのおGちゃんだ!」
「逃がしたって言ってましたし、名前がおGちゃんだからなんでおじいちゃん何だろって思ってましたが、ほんとにおじいちゃんだったんですね・・・」
「さて、そんな事より優希、お前に憤怒の能力を渡すのは本来は息子の仕事だが、息子が行方不明な今、仕方あるまいと来たわけだが、一旦現世に帰るんだろ?」
「いや、その必要は無いで?」
「まーちゃん!?」
「未来から敵地に飛ぶのは面倒いからな、来てもうたわ」
「マモンや、お主、なぜ未来で名前変えとるんじゃ?」
「苗字ないとあかんねん、暮らして行けへん、せやからマモン・グリードっちゅう名前で暮らしてたんやけどな?1度死んでもうて、蘇生したら戸籍が消えとって、仕方なく、今の名前でやっとんねん」
「本当に不死身だったのか・・・」
「せやで?しっかし、ルシフェル、お前なんで来たんや冥界での仕事があるやろ?」
「旦那には許可取ってるし、いまホームセンターは臨時休業中よ?それに、傲義兄ちゃんと美香姉ちゃんが行方不明なのよ?家族だから当たり前でしょ?」
「すまない、一つ聞いていいか?ボスは傲慢の悪魔だろう?」
「知らないのか?息子は元々憤怒と虚栄の悪魔なんだが、如何せん漆愛が冥妃になるもんでな、虚栄も傲慢に統合されてたし、傲慢の悪魔として育てたんだ」
「だが、サタン様がボスの父とは・・・母親は?」
「姉さんです、これから会いに行きます」
つづく