第百四話 謎は深まるばかり?
「すると、そこのもう1人の紗季?の世界に避難していて、この世界に再度用事ができたから戻って来たと、で、シルは別の世界の私達とこっちに来たはいいけどはぐれたのね?」
「そういう事かな?」
「そう、で、あなた達兄妹はこの後残るの?それとも帰るの?」
「それは・・・」
「いいのよ、それに、あなた達が無事って事だけで私達には大きな収穫なんだから」
「で、貴女は?」
「え?私?」
「そうよ、貴女の世界の私達を探しているんでしょう?」
「うん!」
「それなら、協力するわ、さあ、行きましょう?私達のアジトが丁度学校だから。」
〜学校〜
「あれ?麗奈さん!?麗乃さん!?」
「どうしたのよ?」
「いや、さっき帰って来たんじゃ・・・」
「そう、なら先に来た私達に会わせて頂戴、少し用があるから」
「し、しかし、何者か分からない者を会わすわけには・・・」
「これは風紀命令よ?それとも、せっかく見つけた生存者を見捨てるつもり?」
「わ、分かりました、こちらです。」
〜生徒会室〜
「だからね!私はもうゾンビなんだって!」
「麗乃ちゃん、私の前だからいいけど、他の人の前でそんな不謹慎な事言っちゃダメだよ?」
「ホントの事なのに?」
「うん、空気を読まなきゃ」
「しるるん、大丈夫かな?」
「呼んだ?」
「しるるん!それに、え!?私!?」
「なるほど、確かに、私ね、これで確信出来たわ、愛生、その2人は別の世界から来た私達よ。」
「うん、知ってるよ?」
「・・・なんで知ってるのよ?」
「お父さんに魔法?を教えて貰って、ちょくちょく入れ替わってたから」
「それは本当か?」
「うん、まず、魔法がある事自体驚きだったけどね」
「お父さんは元気か?」
「うん、今、あっちの世界に帰るって、なんか用事があるみたいだよ?」
「そうか、時空間の雫を手に入れたら挨拶に行かないとな、それに、優希君を取り戻す為の何かを知っているかも知れない」
「愛生ちゃん!最近はいつ入れ替わってたの?」
「終業式かな?」
「だから旧校舎に来てたんだね!」
「あれ?なんで知って・・・あ、そうか、あっちじゃ風紀委員室って旧校舎にあるんだっけ」
「え?こっちじゃちがうの?」
「旧校舎は今避難所になってるから、なかなか行かなくて・・・」
「ん?そういえばさ、リアさんがこの事態を引き起こしたんだよね?」
「まあ、そ、そうだな」
「元に戻せるんじゃあ・・・」
「戻したいのは山々だが、優希君が居なくては我も全力を出せんのだ、誠に申しわけない」
「ねぇ、せめてワクチンだけでも作れないかしら?」
「ワクチンか、それくらいなら、今の我でも作れそうだな、よし、協力しよう」
「ほら!お兄ちゃんも!」
「はあ!?なんで俺が!」
「お兄ちゃんも共犯でしょ?」
「いま、なんて?」
「だから、お兄ちゃんが共犯って・・・」
「優希さんが、共犯!?」
「それ、どういうこと?教えてよ、祐希君」
「いや、その・・・」
「教えなさいよ!どういうことなのよ!なんとか言いなさいよ!山城祐希!!」
「それは、その・・・」
「貴女も貴女よ!謝罪の気持ちはあるみたいだけど?私達の世界をこんなふうに変えておいてのうのうと向こうの世界で暮らすなんて!ねぇ、返してよ!私達の世界を!けー君を・・・返してよ・・・」
「圭太君に何があったの?」
「・・・愛生は、ゾンビになった圭太君に襲われたのよ」
「そんな・・・」
「・・・どうやら邪魔したようだな、すまない、我々は帰るよ」
「待って、約束して、必ず、この世界を元通りにするって」
「・・・わかった、約束しよう」
「あと、これ」
「時空間の、雫」
「優希君が行方不明なんでしょ?それならおあいこよ」
「・・・ありがとう、愛生ちゃん」
「お父さんによろしくね!」
続く