第百三話 手がかりを探して
「大変だ!優希君が!」
「ラース!?」
「えっと、どちら様?」
「優希ねぇさん、僕の事忘れちゃったの!?」
「ラース落ち着け、とりあえず、何があったのか説明してくれ」
「昨日の夜、突然大きな魔力の歪みが起きて、優希君が、飛ばされたんだ!僕は早めに気がついてなんとか戻って来れたけど、優希君は戻って来れなくて・・・」
「飛ばされた?それは空間転移の類か?」
「いや、誰かに強制的に移動させられた、空間の事は詳しくないからわからないけど、パラレルワールドかもしれないし、空間的に繋がりはないのかもしれない」
「これは・・・少々厄介だな」
「見つけました」
「なに?本当か?」
「どうやら10年前に飛ばされた様です」
「行って見るか・・・よし、久しぶりにアレをするか!」
「アレって?」
「1度別の空間に移動しなくてはならない、そして、暗黒領域に行き、そこにある時空の歪みにはいる。」
「暗黒領域・・・」
「しかし、暗黒領域に行くためには、時空間の雫を手に入れる、つまり崩壊したあの世界に行く必要が・・・」
「まさか!」
「祐希、沙紀、覚悟はいいな?」
「大丈夫!」
「俺にはリアがいるからな。」
「言っておくが、お前は護らんぞ祐希」
「なん・・・だと?」
「よし!いくぞ!」
〜崩壊した世界〜
「酷いな、こりゃ」
「これが私達の居た世界なの?」
「・・・申しわけない」
「いえ、リアさんのせいじゃないよ、だから気を落とさないで」
「・・・すまない」
「そうだね、お兄ちゃんが悪いよね、なにせ私を放り出して世界まで壊すんだもんね?」
「なんで俺への言葉はフォローじゃなくて追撃なんだよ!?」
「ん?生存者か?」
〜side???〜
「やっぱり外はゾンビだらけだねー」
「シル、生存者がいたわよ。」
「お姉ちゃん、まだ決め付けるには早いよ?まずは肩か脚を狙って反応を・・・」
「麗乃、落ち着きなさい」
「あれはもしかしたら、山田兄妹じゃない?」
「あ!ほんとだ!あれ?紗季ちゃん2人いない?それに、他の人は?まあいいか、撃っちゃお」
「だから麗乃、落ち着きなさい」
〜sideヴァリア〜
「完全武装してて誰だか解んないな・・・」
「な、なんか銃口をこっちに向けてるけど?」
「なんか、コントみたいなことしてるぞ?」
「わっ!撃ってきた!」
「いや、慌てるな、後ろのゾンビだ。」
「むしろなんでリアさんはそんな落ち着いて居られるのさ?」
「それは、相手が堺原姉妹だからだ。」
「え!?リアさん解るの!?」
「ん?いや、ゴーグル取ってるしな」
「あ、ほんとだ」
〜side堺原〜
「やっぱり紗季ちゃん達だ!あれ?なんか警戒してる?」
「れーのん、多分顔が分からないから誰だか分かんないんだら?」
「なるほど!しるるん頭いいね!」
「おーい!悪魔のお姉ちゃーん!」
「馬鹿ね!そんな大声出したらゾンビが寄ってくるでしょ!」
「え?そうなの?私さっきここに来たばっかだから分かんなくて、ごめんね?」
「ほんと、貴女何者なのよ、只の生存者じゃないみたいだけど?」
「だから言ってんら?ウチは別の世界から来た精霊なんだってば!」
「はあ、なんでこんな電波な子を助けちゃったのかしら」
〜sideヴァリア〜
「なんでしるるんがリアさんのこと知ってるの?」
「悪魔と精霊は同一個体がいないからな、あれは私達の知ってるシルフィで間違いないだろう。」
「なんでこんな所に?」
「さあな?」
「さっきー会いたかったよぉ!!」
「なんでここにいるの?」
「んっとね!れーなっちと、れーのっちがこの世界に間違えて来ちゃって、あとから追いかけてきたら迷子になって、途方に暮れてたられーなっちじゃないれーなっちとれーのっちじゃないれーのっちが助けてくれたの!」
「間違えて来た?どうやって?」
「旧校舎になんか見覚えのないドアがあって、3人で調査してたの!でもでも、最後にウチが入ったらドアが消えちゃった!そしたらゾンビがうわああって!気付いたらひとりになってたの!」
「ふむ、となると、時空間の雫は学校内か」
「なんでわかるの?」
「多分シルフィ達が通ったドアはサモンズゲートだろう、このサモンズゲートが現れる半径700mに時空間の雫が産まれる。」
「それって・・・」
「ああ、タイミングが悪かったようだな、もう少し遅ければ元の世界で手に入っただろうが、まあ、堺原姉妹を見つけてからでも遅くは無いだろう」
「なになに?2人を探してくれるの!?」
「勿論だ。」
「ありかとう!悪魔のお姉ちゃん!」
「リアでいい」
「ありかとう!リア姉!」
「なに?知り合いなの?というより、なんで紗季がふたりもいるのよ?そしてあなた達兄妹はは今まで何処に隠れてたのよ?」
「麗奈さん、どこから説明すればいいのか分からないんだけど。」
続く