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第九十八話 日向とラディナ
リーダーの行方はわからなかった、アタシの意識がないときに違う病院に移ったらしい、何処に移ったか聴いたが、個人情報だからと教えてはくれなかった
アタシはバイクにもう乗れない、好きな人も失った、もう、なんにもやる気が無かった
「ねぇ、そこのおねぇさん、悪魔と契約してみない?」
そう言って現れたのがラディナだった、もうなんでもいい、アタシは悪魔に魂を売った
それからだった、麻痺して動かないはずの左足が、彼を失ったショックで見えなくなったはずの右目が、回復の予兆を見せた
嬉しかった、またバイクに乗れる、彼のバイクを継げる、そう思うとこの先短い命でも構わなかった、そんな時、ラディナが姿を消した
それからアタシはラディナから貰った足と目で、彼女を探した、気がつけば、3年の月日が流れていた。
続く