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傘と凛

作者: 小説初心者

「今日の午後五時頃から雨が降るでしょう。」

 平日の朝、おれはパンを食べながらぼーっとテレビを見ていた。

「かさ、持っていかないとな…」

「もう八時半か、遅刻しちまう」

 そういって急いで家を出た。

「おはよー。」

 おれは小声でいつも教室に入るとき挨拶をしている。でも返してくれる人は一人もいない、クラスでおれだけ浮いている。その理由は高校デビューしようと思い、陽キャぶって皆んなに話しかけていたらウザがられてしまったから。

「(今日も寝るか)」

 授業も休み時間もこうやって寝ていればすぐに時間が過ぎる、気がつけば六時間目ももう終わってた。

「よっしゃ、帰るか。」

 まだ四時ぐらいなのに雨が降ってる、予報がはずれたみたいだ。

「まぁ、傘持ってきたから大丈夫だな。」玄関に行き傘立てを見る。

「ない……」急いでたから忘れてしまったらしい。

「やべぇ、こんな雨の中走りたくねぇぞ…」

 しかたなくおれは近くのバス停で雨やどりすることにした。

「結局ぬれちまった。」

 そうして少しの時間待っていると女子が一人やってきた。

「ねぇ、傘忘れちゃったの?」

「え?」

 おれは久しぶりに他人から話しかけられてびっくりした。しかも女子だ。

「いや、え、まぁ家に忘れちゃって……」

「じゃあ私の傘に入れてあげるよ!」

「君の家まで行ってあげる!」

「いやいいよ…」

「でも雨全然やまないよ?」

「じゃ、じゃあお願いします…」

 雨がやまないと家に帰れないのでしかたなくこの女子と帰ることにした。

「君の名前はなんていうのー?」

「お、おれは伊月(いつき)って名前。」

「そっか!私は(りん)、可愛いでしょ?」

「うん、可愛い名前だね。」

「えへへっ。」

 その彼女の笑った顔におれは無意識に顔が赤くなった。

「私いつもはこの辺にはいないんだけど今はおばあちゃんちにいるの。」

「へぇ、ほんとはどこに住んでるの?」

「となりの街だよ、昔引っ越したんだー。」

 そういえば昔おれの知り合いにもとなりの街に引っ越したヤツいたな…。

「今更だけど傘入れてくれてありがとな、助かったよ。」

「お礼言うの遅いよー笑。」

 そんな話をしていると家に着いた。

「あっ、ここおれんち。」

「えっ?ここって……もしかして伊月くん?」

「お前まさか…凛?」

 これは偶然なのか必然なのか昔の幼なじみに再開した。おれたちは10年ぶりの再開に驚きで何も言えずにいた。

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