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裸の勇者  作者: せな
1/1

女神の寵愛

ここは、魔法だとか剣だとか魔王だとかの世界。

そんな世界の町外れ、森の中にある、小さな木の家。

そこに住むのは、腰に触れてしまうほど長い、綺麗な金髪を持った美少女。

体は巨乳と言うには小さく、貧乳と言うにはデカい胸、スラッとした体型で、慎重は女性にしては高めの170くらい。

「はぁ…はぁ…実にすばらしい……はぁ……

彼女こそ、はぁ…私が選ぶ勇者に相応しいはぁ……

待っててね……今加護を渡しにいくからッ♡!!!」


「ふぅ。」

外に干してあった洗濯物を家へと運び、一息つく金髪美少女。

「よしっ!町に行こうかなっ!」

パララ~ン!!

「えっ?なんの音!?」

「はぁ…麗しく美しく、可憐で可愛い我が愛しの妻よ……はぁ…はぁ…」

どこからともなく無駄に綺麗な声が聞こえる。

「えっ?誰っ!?」

少女は驚く。

シュワ~ン……

「うわっ!!」

突如目の前に、裸体の女性が姿を表す。

「はぁ…はぁ...はぁ...こ、こんにちは……はぁ...」

突如現れた変態は妙にもじもじしている。

「え?あ、こ、こんにちは...」

そんな変態にちゃんと挨拶を返す。

「えと…はぁ…その…はぁ…」

ドキッ!

圧倒的な美貌を持つ裸の女性が、もじもじしているのを見て、同姓ながらに思わず、ドキッとしてしまう。

「あの…服着ますか……?」

「はぁぅあ……ううんんん♡」

(優しさが体に……染みる……あぁ……気持ちいい♡)

「あのっ!ちょうど洗濯終わったばっかりなので気持ちいいと思います!」

そう言って、先ほど取り込んだ洗濯物から洋服を持ってくる。

(このままじゃまずい……ただの変態になっちゃう!!

折角なら自分で話したかったけど……仕方ない。

会話逃避(オートモード)!!)

「私は裸体の女神。

あなたが勇者になる器と見込んで、加護を授けに来ました。」

さっきでの恥態(ちたい)が嘘みたいに、圧倒的な美貌と美声を魅せてくる。

その姿は、麗しき女神と言うに相応しいものである。

「えぇ!!女神様!!」

シュッ。

少女は女神と知るとすぐに膝をつく。

チラッ

(おおおおおお……はぁ…はぁ……生おっぱい……これがチラリズム……)

少女の着ていた服が胸元の緩い服だったため、目の前で膝を付くと、チラッとする。

そして女神は人知れず興奮する。

「ふん……良い態度です。そのまま膝を付いていなさい。加護を授けます。」

(あぁ!私ってば!なんて偉そうに!!やっぱり自分で喋るっ!!

会話逃避(オートモード) 解除)

「はい...!!」

少女は女神の言葉に従い膝を付いたままにする。

「はぁ…目をつぶって…はぁ……」

少女は目をつぶる。

「はぁ……はぁ……そのまま立ち上がって…」

少女は立ち上がる。

「はぁ...はぁ...うーん……えいっ!!」

女神は少女へ抱きつく。

スパーンッ!!

すると少女の服が弾け飛ぶ。

「えっ……?」

「はぁぁぁぁぁっっ♡♡!!!!」

困惑する少女と興奮する女神。

(このままじゃまずいっ!!

会話逃避(オートモード) 改!!)

「これが裸体の女神の加護だから!!

ごめんね!!

後でステータス見てみてね!

新しくなってるから!!

あと、すっごく可愛い!!エロい!!素敵!!

魔王倒したら結婚しようね♡

ずっと見てるから!!

じゃあね!!」

畳み掛けるように喋り、女神は消える。

「えぇ……どういうこと……」

と少し放心した後女神に渡そうと持っていた服を着る。

スパーンッ!!

服が身を包んだ瞬間に弾け飛ぶ。

「えぇ…」

思わず苦い顔をする。

少し困惑した後、畳み掛けの最中に言っていたことを思いだし、ステータス画面を見てみる。


ステータス


職 業 裸の勇者


レベル 1


スキル 絶望の光(コンプライアンス) 羞恥心パンチ 常時平熱(スタンダード)


基礎力 攻撃5 魔法5 防御20 俊敏20 胸C(固定)


「なんか1つ気になるとこがあるけど、一旦無視で詳細を。」


裸の勇者

裸を強制される代わりに、専用レベルアップを得る。

裸体を隠そうとしても弾かれる。

とくに胸部と局部は厳しく弾く。

女神の裁量で弾くものは決められる。


「えええ!!!私このままずっと裸ってこと……どうにかこうにかできないかな。」


裸体抗いターイム!!


下着を付けてみる

スパーンッ!!


タオルを巻いてみる。

スパーンッ!!


絆創膏を貼ってみる。

スパンッ!!

3枚貼った絆創膏のうち、上の2つが剥がれる。


手で隠してみる。

エロいからOKです……はぁ……はぁ……


「隠せる時もある……けど!裸ってことは変わんないじゃんっ!!」

少しして、昂る気持ちが落ち着き、他詳細も見る。


スキル


絶望の光(コンプライアンス)


謎の力による謎の光によって、見えてはいけない部分を隠す。

局や、媒体次第では光の本数が減ることもあるし細くなったりもする。勿論太くなることもある。

裸の勇者(職業)に弾かれることはない。

魔力も消費しない。


「なんか良くわかんないけど使ってみよ。

絶望の光(コンプライアンス)!!」

少女が唱えると、謎の光が()()()を隠す!!

なんてことだ!!

つまらない!!

けしからん!!

コンプライアンスめ!!

「ア゛ア゛ア゛ア゛……ァ゛ァ゛ァ゛……気づかれたぁ゛ぁ゛……」

これには女神も絶望する。

「おぉ!!良いじゃん!!よくないけど!

不幸中の幸いってやつだよ!!

これがあるなら絆創膏はいらないか。」

ペリッ!

絆創膏を剥がしとりあえず机の上に置く。

女神はそれを見逃さない。

人知れず盗む。

少女が気づくことはない。

「よしっ!!はぁはぁ……よくやった私!はぁはぁ……」


「次は…」


羞恥心パンチ

ただのパンチ。

周囲の恥ずかしさの分パンチの威力が高くなる。

魔力消費無し。


「羞恥心パンチ!!」

そう言って空振りしてみる。

ただの空振りに終わる。

「まぁ今は恥ずかしくないし使えないか。次!!」


常時平熱(スタンダード)


どんなところでも寒くならず暑くもならない。

パッシブスキル。

「裸だもんね。これくらい無いと凍え死んじゃうよ。最後!」


基礎力 攻撃5 魔法5 防御20 俊敏20 胸C(固定)


「悪意があるでしょ!!

固定ってなによ!!

私の胸がもう成長しないみたいじゃん!!」

と虚空に対し言う。


グッ!!


それをみた女神は、満足げに親指を立てる。

「てかこれじゃ町にいけないじゃんっ!!

もう!!どうしよーー!!!」



神性(しんせい)王国 大神殿にて、年老いて体が小さいわりに、態度のでかい老人が、女の子3人に面と向かって、なにかを話している。

「今さっき勇者が生まれた。

場所は隣国ハジマーリの、外れにある小さい木の家だ。

お主ら3人、役目を果たす時がきたのだ。

しっかり勇者様の力になるのだぞ。

よし!さぁ行け!勇者の仲間達よ!!

必ず魔王を倒すのだ!!」

「はい!!」

「はぁぁぁい……」

「おう!!」


神殿を出て町を歩く3人?

「はぁ、やだなぁ……勇者パーティーとか……」

そう愚痴を呟くのは140台の身長に、大きな杖と、ピンクのぶかぶかローブ、またまたピンクの大きな帽子、全身ピンクな魔法使い。

可愛らしい姿に似合わず、とてもだるそうな顔をしている。

「どうしてそんなことを言うのですか!?」

そんな彼女に、元気よく問うのは、150台の身長、全身真っ白で、所々に差し色の入った修道服と長い髪を持つ純白の聖女。

「だって私達女しかいないじゃん。

これ完璧に勇者接待ハーレムパーティーだよ。

絶対、毎晩野宿にもかかわらず4Pさせられるんだ……。

そして子供ができたら、「俺は知らないからっ!!」とか言って逃げるんだよ。

そしたら私は一人で子供を産んで、捨てるわけにもいかないから大きくなるまで育てて、なんだかんだで可愛くて、こんな人生もありか……なんてことになっちゃうんだ……はぁ……いやだなぁ……。」

「そんなことにはなりません!!

神様はそんな人を勇者に選びません!!」

「4Pってなんだ?子供ってできるものなのか?」

今、中々にうぶな質問をしたのが、175くらいある身長にとても短い緑の髪の毛、動きやすさ重視の露出高めな服から見える筋肉には、思わず目を奪われる、とても強そうな戦士。

「はぁ?あんたそんなことも知らないの?」

「いや、すまない……私は戦い以外には疎くて……。」

なにかを思い出したかのように、少し暗い表情で謝る。

そんな顔をみて魔法使いは少し申し訳なくなる。

「……仕方ないから教えてあげるわっ!!

いい?まず子供の作り方なんだけど……」

「先に自己紹介しませんか!!!」

純白の聖女様はその話を遮るように自己紹介を提案する。

こうして3人は仲を深め合いながらハジマーリへ……勇者のもとへ向かう。



「食べるものがないっ!!」

そう高らかに言うのは裸の勇者。

「しかし!こんな格好では町にもいけない!!」

彼女の魔法絶望の光(コンプライアンス)によって大事な不都合な所は隠されている。

「しかし、私は勇者に選ばれた!!

強くならなくてはいけない!!

よし!外に出るぞ!!」

そう言って勢い良くドアを開ける。

外に広がるのは木やら物干し竿。

幸い町外れの森に住んでいるため、人通りはほとんど無い。

勇気を出して進む。

テロリンッ!!

「やっぱむりぃ!!」

自分の裸体が陽光に当てられるという、始めての感覚に怖じけずいて部屋へ戻る。

「無理だぁこんな格好で外になんて……あれ?レベル上がってる。

あー……職業経験値か……」

この世界ではレベルと言う概念がある。

これは、レベルが上がれば上がるほど、強くなっていくというものだ。

そのレベルをあげるためには、経験値というものがいる。

経験値の獲得方法は2つ。

1つは命を奪うこと。

殺した相手のレベルによって経験値を得る。

もう1つは職業による経験値。

自信の職業に合った行動をすると経験値がもらえる。

今の場合、勇者という職業で、勇気を出したことによる経験値だ。

レベルが上がるたびに、次のレベルに必要な経験値が増える。


「見てみよ。」


前のステータス


職 業 裸の勇者


レベル 1


スキル 絶望の光(コンプライアンス) 羞恥心パンチ 常時平熱(スタンダード)


基礎力 攻撃5 魔法5 防御20 俊敏20 胸C(固定)


今ステータス


職 業 裸の勇者


レベル 2


スキル 絶望の光(コンプライアンス) 羞恥心パンチ 常時平熱(スタンダード) 救済措置(インビジブル)


基礎力 攻撃10 魔法10 防御30 俊敏30 胸C(固定)


「基礎力の上がり幅でかいなぁ。

新しいスキル……めっちゃいいじゃん!!」


救済措置(インビジブル)

透明になることができる。

攻撃行動をすると解除される。

任意で解除も可能。

自然回復分の魔力を消費する。


「いぇい!インビジブル!!

…………えぇ……これ透明なの……なにも変わらないんだけど……鏡見てみよ……

おぉ!見えない!!すごい!!すごい!!これなら外に出れる!!」

そう言ってまた、勢い良くドアを開ける。

「うぅ……でもやっぱ怖い……コワイヨー!!

私から見たらなにも変わんないんだよー!!

不安だよーーー!!


でも勇気!!


私は勇者!!


勇気だして前に!!


うおりゃぁーーー!!」


思いきって外に出る。


「そしてすぐに閉める!!」

出たすぐさま振り向いてドアを閉める!!


「よーし!!

あっ!またレベル上がってる!!

ふーん!!まぁこれだけ勇気振り絞ったんだし当然だよね!!」

裸でドヤドヤと、満面の笑みである。


前ステータス


職 業 裸の勇者


レベル 2


スキル 絶望の光(コンプライアンス) 羞恥心パンチ 常時平熱(スタンダード) 救済措置(インビジブル)


基礎力 攻撃10 魔法10 防御30 俊敏30 胸C(固定)


今ステータス


職 業 裸の勇者


レベル 3


スキル 絶望の光(コンプライアンス) 羞恥心パンチ 常時平熱(スタンダード) 救済措置(インビジブル) 羞恥共有(チクビィム)


基礎力 攻撃15 魔法15 防御40 俊敏40 胸C(固定)


「わっ!!また新しいスキルだ!!

やったー!!

えぇ……」


羞恥共有(チクビィム)

胸の突起からビィムを放つ。

当たった者は身に付けているものすべてが消し飛ぶ。

ビィムは光の速度と同等の速さをもつ。

魔力消費5


「なんかすごく使いずらそうなんですケド……

ま、まぁ今はとりあえずご飯だよね!!適当に木の実とか採ろうかな……。」

そうして、とくに何事もなく、裸体で晩御飯を得ることに成功した。

「ふぅ。

よかったー!ここに住んでて!人にみられる心配はないもんね!!

今日は一日中ヒヤヒヤして疲れたし、ご飯食べて早く寝よ!」


夢の中。

「魔王倒したら結婚しようね♡魔王倒したら結婚しようね♡魔王倒したら結婚しようね♡」

ただひたすらにくりかえされる響く声。

「この声は……女神様……。」

「魔王倒したら結婚しようね♡結婚しようね♡結婚しようね♡」

実はこの夢、女神の仕業である。

少し前。

「あぁ透明なまま寝ちゃった……でもいいのよ!

私には読者の目(インビジブルビジョン)があるから!!絶望の光(コンプライアンス)以外は丸見えよ!!

はっはっはっはっ……

はぁ……そういえば、私が言ったこと覚えてるかなぁ……

言いたいこと言い過ぎて伝わってないかもなぁ…………干渉しよ。

夢の中ならギリギリセーフ。

そんな度が過ぎた干渉じゃないっ!!

よし!!」

というような感じで、結婚連呼ドリームである。

「ハッ!!」

「あら……起きちゃった……はぁ……。」

悪夢にうなされたように、勇者は目を覚ます。

「ふわぁ~中途半端に起きちゃったな。

寝よ。」

ジーン…!!

「トイレしてからにしよ。」

そう言うと家を出て、庭の畑に向かう。

「よいしょ……」

透明だがしかし!ご都合的読者の目(インビジブルビジョン)ではっきりみえる!!勇者は今パンツを下ろす仕草した!!

「おぉぉんっっ♡エッチすぎる……」

変態の代弁者(めがみ)もこれには興奮している。

「女神様っ?」

ビックリして、辺りをキョロキョロする勇者。

ヒヤッ……

(あっまずい……干渉しっぱなしだった……)

あられもない声を聞かれたことで、流石に冷や汗が止まらない。

「助けてーー!!!」

どこからともなく声が聞こえる。

「え?なにっ!?」

勇者は驚く。

一方、女神は、めっちゃ悪い顔をする。

「我が愛しの勇者よ!!戦いチュートリアルです!!」

「あっ!やっぱり女神様!!」

とりあえず畑を避け、地面に膝を付く。

「今、この近くで女の子が、強姦に襲われています。」

それを聞いて、すぐさま声の方向へ走りだす

「いい動きです!!

最初の戦闘なので私が指示をします!

よければしたがってください!!」

「わかりました!!」

(よぉぉしッ!!誤魔化し成功ッ!!)

「そのまま走って強姦達を目視したら、相手の後ろに回り込んでください。

今あなたは救済措置(インビジブル)状態なので用意に回り込めます。」

「見えた!!」

可愛らしい女の子が、ゴツめの男に両手を掴まれ、木に押し当てられている。その横にいるもう一人の男が、クソほどいやらしい顔で洋服をじわじわと切っていく。

顔面汚物「こういうのはじっくり楽しまねぇとなぁ……」

「誰かーーー!!!助けてーーー!!!」

無駄な筋肉「こんなとこ誰もこねぇよぉ~~だぁ。」


勇者は透明のまま後ろに回り込む

「いいですか、今から言うことを真剣に、ちゃんと、しっかりやってくださいね。」

「はい!!」

「あなたには、小さすぎず大きすぎない、完璧な胸があります。」

「はい……?」

「その中央には、可愛らしい2つの突起物♡」

「……」

「その2つを片方ずつ男どもに合わせてください。乳首標的(ロックオン)です。」

勇者は察する。

「……」

「速くしないと女の子が襲われてしまいます!!」

勇者は覚悟を決める。

「はいッ!!!!私やりますッ!!!!」

そう言って自分の胸と突起を掴み、正確に狙いを定める。

「そうです!乳首標的(ロックオン)できたのなら!高らかに唱えるのです!!」

女の子の悲痛な声、男どものみにくい声、森に住む生き物達の声、その辺り、すべての掻き消すほどに高らかと叫ぶ。


「チーーーーークビィィィィィィィム!!!!」

その胸から放たれた閃光は、目にも止まらぬ速さで男どもに当たる。

スパーンッ!!!

男どもの身に付けていたものすべてが弾け飛ぶ。

「え……」

「はっ……」

男達は困惑している。

「今です!困惑しているうちに、その俊敏性を活かして近づき、周囲の羞恥心を力に変えるのです!!」

「必殺ッ!!!!羞恥心パーーーンチ!!!」

ドゥグシャグチョッ!!!!

「えぇ……」

「ひぃぃっ!!」

「ナーーイスッ!!」

爽やかな一撃とは裏腹に、なんだかすごくグロテスクな光景になってしまう。

「まぁこの程度の羞恥心なら、消し飛ばす程の力はありませんね。少々醜いのでコンプライアンスをかけましょう。」

絶望の光(コンプライアンス)……」

グロテスクな死体を絶望の光(コンプライアンス)が隠す。

「あのっ!!ありがとうございます!!」

襲われていた女の子が礼を言う。

「ごめんね、こんな格好で……色々訳があって……へへっ。」

ズキューーーンッ!!

「あぁ……いえ……美しいです…」

さっきの醜く汚い男どもの後の、金髪美しカッコイ美少女スマイルは、女の子の心を射止めてしまう。

(あぁっ!!この女!!)

女神は人知れず危機感を感じる。

「まぁとりあえず夜も遅いし、そんな服だしで(うち)行こっか。」

ズズズキューーーンッ!!!!

「はいぃ♡」

あんなことがあった後にも関わらずメロメロだ。

いやむしろあんなことがあったからこそ、この裸の勇者が光輝いてみえるのだろう。

(なんでよぉぉぉぉ!!!!

いやでもこんなとこも好きぃぃぃ!!!!

でもいやだぁぁぁ!!!!)

女神は人知れず悶えている。

「名前は何て言うの?」

勇者が聞く。

「アリサ フルードルと言います……アリサと呼んで下さい……」

「アリサか、可愛い名前だね。

私はレンリーシャ、レンでもリーシャでも、好きな方で呼んで!」

(意外と恥ずかしくないなぁ……女の子だからからな。)

「レン様……♡」

「どうした?」

「あっ……いえ……つい言いたくなってしまって……」

(こいつぅぅ!!!!許せない!!!!許したくない!!!!神罰を与えようかしらッ!!!この女に神罰を下そうかしらッ!!!!

いやッ!!!下してしまってもよかろうなのだああぁぁぁぁッ!!!!)

「可愛いね。」

キュン♡

「いやっ!そんなっ……かわいぃなんてぇ……♡」

(かっこよすぎるだろーーーー!!!!!!

なんかかっこよすぎない!!

レンきゅんかっこよすぎなんだけど!!

なんで!?

前まではリーシャたんって感じだったのに、今日はレンきゅん♡って感じ。

ギャップエグーーーーい!!!

はぁ…はぁ…はぁ……落ち着くのよ……

レンきゅんをみれたのは、あの女のおかげ……レンきゅんに免じて神罰は無しにしましょう。

はぁ♡かっこいいわ……♡)

女神は人知れず悶え苦しみ火照る。


その間に2人は、家の中へと入っていく。

「はい、これパジャマだよ。

私、訳あって服着れなくなっちゃったからあげる。」

そう言ってパジャマをズタボロにされた服を着た女の子に渡す。

「えっ……あっ!ありがとうございます!!」

「んじゃ、着替えてて!私トイレしてくるから。」

「はっ……はいっ!!」

ドキドキ……♡

女の子はすごくドキドキしている。

「ふぅ疲れたなぁ……」

また下着を脱ごうとする。

「そっか無いんだった……」


「レンきゅん……」


「その声は、女神様……」

またまた畑を避け膝を付く。

「私の前では膝を付かなくていいですよ。

私達は夫婦になるんですから。

いやむしろ膝を付くことをやめてください!!」

「わっ、わかりました!」


「トイレもしていいですよ。」

「いや、流石にみられてると思うと……」

「大丈夫ですよ、私ずっと、いろんなアングルからあなたのトイレ見てましたから。」

「えぇ……」

「ほら!はやくしないと!!漏れちゃいますよ!!」

「いやでも……」

「あなたはトイレをするんです!!」

「はい……」

レンは畑へと向かう。


ドドンッ!!

説明しよう!!

この世界の生き物の体液には、微量ながらに魔力が含まれるぞ!!

微量な魔力も、塵も積もれば山となる、野菜達に魔力が少しずつ宿っていき、とっても美味しくなるんだ!!

だから畑を持っている者は、畑をトイレに使うのだ!!

ちなみにこの世界の女の子はおしっこしかしないぞ!!


ジョボボボ……

「いいですかぁ!グヘッ!グヘヘッ!!」

(はぁー///恥ずかしぃ……)

「浮気はダメですよ!!」

「浮気ですか……?」

「そうです!!浮気です。

今晩、助けた女を家に泊めるそうじゃないですか!!

あなたは私の妻になるんですから!浮気はダメです!!」

「結婚って冗談とかではなかったんですか……」

トイレを済ませ下着を履こうとする。

「冗談じゃないですよッ!!ヘへッ♡可愛いっ♡」

(恥ずかしぃ……!!)

レンはとても恥ずかしがる。


「とにかく冗談なんかではありませんっ!!

私はあなたにはぞっこんです!!

今にも、この体で抱き締めてしまいたいほど愛おしいです。

しかし神の掟によって、こ世界の生き物と神の深い干渉は禁じられています。

だからレンきゅんが!勇者として魔王を倒し、神からの褒美として私との結婚を!!

まぁこれは私の自分勝手ですから、レンきゅんが、もしよければ……みたいな……

願ってくれれば……みたいな……

無理強いはしないですから……」

いつもとは違う感じでもじもじしている。


「女神様が、そんなに私のことを思ってくれるら、私はその気持ちに応えます!!

私は魔王を倒して!必ず!あなたと結婚します!!」

ズキューーーンッ♡!!!!!!

「は…はい……よ…よろしくお願いします……。」

女神大照れ。顔真っ赤。

「お話はこれだけです……が…頑張ってください...♡」

ズキューーーンッ!!!!

「は…はいッ!!」

レン小照れ。背筋ピンッ!!


レン(か…可愛いな……)

女神(すっごく嬉しいぃっ!!!)


とても初々しいやり取りを終え、家に戻る。

「ごめん、遅くなっちゃった。」

「ッ///!!!」

顔を赤らめて、机の角の近くに立つ女の子。

「どうしたの?顔赤いよ大丈夫?」

「だっ!大丈夫です!!」

パツンッ!!

よくみると胸の辺りがパツンパツンできつそうだ。

「ご、ごめんね…小さかったよね……」

そう言いながら自分の胸に目を落とす。

「あっ!いやっ!!全然ピッタリです!!着心地最高ですよ!!」

「ありがとね……トホホ……。」

(可愛いぃ……♡)

「もう遅いし寝よっか。」

「はっ!はい!!」

「ベッド1つしかないから、一緒に寝てもいいかな?」

「ももまもままも、モチロンデスッ!!!」

「ほんと!ありがとう。

ほら、こっちおいで。」

そう言って女の子の肩を持ち、ベッドへと連れていく。

(あぁぁぁぁぁ♡むりかも……///)

女の子はベッド寝転がった瞬間に気絶した。

レンも女の子の頭に腕を貸しながら、すぐに寝た。

過ちは起こらなかった。

(ヨシッ!!!)

女神は人知れずガッツポーズをした。



勇者の元へ向かう3人。

魔法使いの張った結界の中で。

「意外と早く着きそうですね!!」

「うん、明日には着くんじゃない?」

「勇者がどんなやつか楽しみだ!!」

「今日は遅いですしもう寝ましょう。

2人ともおやすみなさい。」

「おやすみー」


「……ほんとに見張りは大丈夫なのか?」

「だから大丈夫って言ってるでしょっ!!

私は天才なのっ!!すごいのっ!!だから絶対に大丈夫なのっ!!」

「そこまで言うなら……おやすみ……」

「フフッ♪すっかり仲良しさんです♪」

寝袋にくるまれながら聖女は可愛らしく笑う。

魔法使いはツンとした表情で、戦士は警戒した顔でくるまれている。



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