警察官連続殺人事件
私のお祝いの日は、雨と決まっている。
「お母さん、起こしてって頼んだじゃん。」
「このままだと遅刻しちゃう」
こんな大事な日に限って、アラームがならない。最悪、また雨降ってる。今日は私にとって大事な日なのに。
「何回も起こしたわよ。文句があるなら自分で起きなさい」
「弁当、玄関置いとくわよ。」
藤井華恋は、行っていますと言いながら急いで家を出て行った。そんな娘の後ろ姿を見ながら手を振る母親。
「あなた、私達の娘は今日から警視庁の捜査1係の刑事みたいですよ。あなた、空からあの子を見守ってくださいね」
警察庁、捜査1係、今日から私の勤務先。ここ最近起きてる事件、連続殺人の捜査で人手が欲しいと言われ警察庁からお声がかかった。元々は地方の警察所で勤務。私にとって最前線で刑事ができるのはとても嬉しいことだ。
「今日からお世話になります」「藤井華恋です。よろしくお願い致します。」
「よろしく。刑事課の係長、大瀬だ。」「そろそろチームのみんなも来ると思う。」
チームは大瀬係長含め4人。宮下、森、一ノ瀬、そして私。一ノ瀬は私の2個下の女の子。
「藤井は今日から一ノ瀬と動いてもらうから」
「藤井先輩。宜しくお願い致します。」
一ノ瀬舞子は、警視総監の孫娘らしく、上からの指示も熱く、私的にはとてもやりにくい子であった。
私は早速一ノ瀬を連れて現場の近くに聞き込みを始めた。
「先輩、中々手掛かりがありませんね」
「まだ始まってすぐだからそんなに簡単に見つかったら、世の中に警察はいらないは。」
「とりあえず、近くの建物の監視カメラ一件一件見て回ろう」