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今から殺されていただきます  作者: カズノコング
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エピローグ

 ???「あなたには、今から殺されて頂きます」

 羽の生えた2頭身の天使2人が持っている、タブレット上の画面から、ふざけた声の男がそう告げてきた。

 何も無い、何も起きな平穏な世界が嫌になる。平和なことに文句は無い、ただ何も特別なことが起きない毎日同じような、刺激のない日々が嫌になる。異能力で壮大な戦いが繰り広げられるとか、大多数の女性から言い寄られるとか、異世界に転生するとか、別にそんな天変地異みたいなことを求めたりはしていない。視線を感じた時に幽霊がいるんじゃないかと想像する、道端で助けたおじいさんが実は大富豪でお礼として大金が貰える、家の倉庫に宝物が眠っている、そんな現実でありえるかもしれないイベントを期待しているんだ。

 だけど現実はそう上手くできてはいない。視線を感じたとしてもそこには何も存在しないしポルターガイストも起きない。助けたおじいさんはただ足腰の悪いご年配。家の倉庫にあるのはスーパーで購入した割れた花瓶や使っていない工具器具だけで、お宝鑑定テレビでやっているような物は存在しない。

 去年の4月で大学生になってからは、大学のない日はバイトに明け暮れ、講義を受けに大学に行った日には、講義が同じというだけで仲良くなった友人と何気ない会話をしたあと、幼い頃から知り合いの女友達と、何気ない会話をしながら下宿先に帰るという毎日である。

 そんなくだらない毎日の、なんてことない日常の1場面であるはずだった、午後9時頃の自室にて非日常な事象を目撃した。「学園祭、メインステージ出場者募集」という大学の貼り紙を横目に、くだらないイベントだと鼻で笑いながらいつもと同じ道をたどり、自室に帰り、食事や入浴を済ましたあとの事だ。羽の生えた2頭身の天使2人が持っているタブレット上の画面に、仮面をつけた男がニヤニヤしながらこちらを眺めていた。そして理解が追いつかないうちに男はその笑みを浮かべた口からこう告げてきた

 ???「加賀悠斗くん。あなたには、今から殺されて頂きます」

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