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~ 聖人の旦那様へ ~

他の作品も載せますので、合わせて誤字脱字等ありましたら


アドバイスして頂けると助かります♪(結構ありそう…)


お手数おかけしますが、評価も合わせてよろしくお願いしますm(_ _)m

夫が数十年振りに旅から戻ってきます。

お互い幼い頃に顔合わせした以来、婚約はしてましたが魔王討伐の旅に出て行っていた為、

会ったことはありません。

夫の顔を思い出そうにも、モザイクが掛かったかのように思い出すことが出来ず、肖像画も残っていないので今の顔もわかりません。

夫について、何もわかりません。


「レイチェル様、旦那様が来られました。お通してもよろしいでしょうか」


「構いません」


侍女が扉を開け、廊下に男性が1人立っている。

腰に届きそうな長い銀色の髪、背が高く整った顔立ちから、女性と言われても違和感のない外見。

何十年振りに見た顔、それでも当時の顔を思い出す事無く、どうしても他人の様に思えてしまいます。


廊下から歩いている姿を見ると、片足を引きずりながら近くに寄って跪きます。

手を差し出すと、甲に口づけをして見上げる。

私の顔を見ながら、立ち上がると優しく微笑みかけてくれます。

これが夫の顔……思い出もなく愛情も一欠けらもない。

この人のせいで、私は長い年月独りで過ごすこととなった。


「お久しぶりです。元気そうで何より」


「旦那様の活躍、聞き及んでおります」


「全て身を挺して戦った仲間のおかげです」


魔王討伐の旅は険しく、聖人以外は戦死を遂げたと聞きます。

彼だけが生き残り、1人で討伐ではなく封印を施し生還。

余程、辛い戦いだったのでしょう。


「そうですか。一つ頼みごとがございます」


「何でも仰ってください」


「旦那様が歩んだ旅を私も見てみたいのです。連れて行って下さい」


「……」


少し考え込む旦那様。

これは何十年も置き去りにした事に対する復讐。

命懸けで帰ってきたアナタはもう一度、死ぬ思いをした戦地に赴かなければなりません。

聖人と称されたアナタなら絶対に断ることはないと確信しています。


「わかりました。護衛の手配を致します」


「護衛なしで、2人で回って見たいのです。守って頂けますよね」


「ですが……」


右腕を擦り、考え込む旦那様。

戦いの後遺症で右腕と左脚が思うように動かなくなったそうです。

私を守りながら進む事に躊躇っているのでしょう。


「断られるのですね」


「いえ、お連れ致します」


こうして、私たちの旅が始まります。

復讐を兼ねた死地への旅路を……


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