【第6話】塩の無い闘い
「今日はシルバーオクトパス狩りだ。まあ、今までも何度も狩ってるが、こいつは買取額が高い。メンツも入ったことだし、何かと要り用だからな。」
「ショウ、タコちゃんがおいでなすったぜ!」
「お前ら、油断するんじゃないぞっ!!」
「「「「おう」」」」
シルバーオクトパスは全高4メートル程の大ダコだ。細かく刻んで小麦粉を溶いた液と混ぜ、丸い型の鉄板でボール状に焼くと美味いことから人気の素材だ。
「くっ…こいつ…いつもよりダメージの通りが悪いな…」
「あの体のヌルヌルが攻撃を受け流してるわね」
「おい、ビネガー!くっちゃべってないで何とかしろ!お前の属性、シルバーオクトパスに特攻だろ!」
「うーん、そうなんだけど、普段より効かないのよね…今日はシオンの補助も無いし」
「シオンだと?こいつを料理するのに何にもしてなかっただろ!!」
「そう、攻撃はしてないんだけど、なんて言うか塩属性でデバフみたいなのしてなかった?」
「ふむ。それは塩属性魔法[ヌメリムーブ]ですね」
「メンツ、知ってるのか⁉︎」
「滑りで攻撃が通りにくい時に使うと防御力が下がるとか。固体系なら近い効果がでるかもしれません。」
「おい、ミッソ、シュガー!お前たち固形だろ!あいつの滑りを引き剥がせ!」
「そんなことやったことねえよ!だいたいコストに見合わねえ!」
「私も…できなくは無いかもしれないけど、素材をダメにしちゃうかも…」
「くっ!使えねえ奴らだな!このまま力推しでやるぞ!」
激闘の末、何とか勝利を納めたものの、パーティには重苦しい空気が漂っていた。
シオンは料理以外の部分でパーティを支えてた事実が!次はサシスメソのギルド報告編です(たぶん)。