不思議な夢
誰かの話し声がする。
楽しそうに何かを話す女の子の声、
それに答える誰かの声。
ふと、重たい瞳を彼はゆっくり開けた。
周りを少しずつはっきりとする視界の中見回せば真っ白な世界。
(あぁ、これは夢だ)
アレクは瞬間夢であると悟る。
真っ白で何もない空間にただ一人佇んでいる。
いや、
ーーーーー……!
また女の子の声。
何処かからか分からないが、どんどんとハッキリとその声がした。
(誰…?)
その声の主を探そうと
彼は周りを見回すけれどそれらしい姿は見当たらない。
ーーーねぇ、ほんとにいいの?
(…!)
そう思ってたら、すぐ後ろ…アレクの近くから今度は突然声がした。
バッと振り向くと、そこにいたのは金髪の女の子だった。
その女の子の足元には時計とリボンのした2本立ちしている白ウサギ。
ニマニマと変わった笑い方をしている変わった色をした紫色の小さな猫。
横に並んでいるのは獣の耳を持つ男性に、トランプの飾りのロッドを持つ女性。
そして、
(………天使?)
白い翼を持った小さな少年と、
黒い翼を持った小さな少女。
ーーーほんとに、私と友だちになってくれるの?
ーーーうん!
ーーーぼくたち、《アリス》と友だちになりたい!
(…えっ、……《アリス》…?!)
天使の少女と少年からの返事に《アリス》と呼ばれた女の子はよほど嬉しかったのだろう。
満面の笑みを浮かべる。
ーーー《アリス》!私も!私も!
ーーーふふ、もちろんビオンも、私の友だちよ!
《アリス》の言葉に白ウサギは嬉しそうにその場でピョンピョンと、嬉しさを隠しきれずジャンプしていた。
………なんだろ、あの子…メイっぽい。
ーーー《アリス》、僕は?
ーーーうーん…《 》は…そうだなぁー…
ーーーひどいなぁ、そんなに悩むことなの?
えへへ、ごめんごめん!
《アリス》は楽しそうに笑いつつ謝り、《 》と呼ばれた紫色の猫へ君も友達だよ、そう答える。
猫はまたニマァと嬉しそうに笑い、
ーーーほんとに《アリス》は冗談がうまいんたから
アリスへそう言って己の持つ猫にしては長くて大きい尻尾を体にクルンとすると、
こちらに振り向いて、
ーーーねぇ、君もそう思うでしょ?
「……ーーーっ!!!」
アレクはガバっと起き上がった。
それに近くで既に支度を済ませたルーアが心配そうに近寄ってくる。
「ア、アレク様…?
大丈夫ですか?」
「え………あ、ルーア………えっと…」
冷やせが止まらない。
何故なら、あの紫色の猫は言ったんだ。
夢だったはずなのに。
自分はあくまで夢の中でそれを見ていた、あの中で言わば透明人間みたいだったはずなのに。
(あの紫色の猫…………)
あの猫は振り向いて
(俺のこと………ちゃんと見てた)
しっかりと彼の目を見て言ったんだから。
ほしよるです。
お久しぶりといいますが……あれから半年過ぎてしまいました…申し訳ありませんm(_ _;)m
やりたい事やってて中々執筆進まないし仕様も変わってたしで今になりました…。
ともかく!少しずつでも書いていくのには変わらずなので、ノロノロとなりますがよろしくお願いいたします!
今回は不思議な夢を見てましたね…なんだろね、あの猫さん。
今後どう関わるかはお話進んでからということで!
次の投稿は恐らく早くて今月中、遅くて来月となると思いますのでよろしくお願いいたします(*´﹀`*)




