4皿目 ランプの精霊の少女
沈没船の探索と魔物との戦闘後、イエローは勇者達のいる港町から離れた小島にいた。
「オープン。カレー鍋、それと家具一式」
イエローが唱えると、目の前の空間から機械式のカレー鍋と椅子やテーブルなど家具が出現した。
戦隊達が使える装備の中に異空間に道具を収納可能なポケットがあった。
ポケットの中は時間が停止している。10日以上前に作ったカレーを取り出しても冷えておらず腐る心配もなかった。
ちなみに海中で感死させた鮫の魔物や他の魚類もポケットに収納済みだった。
「う~ん!! 疲れたり嫌な気分の時はハツハラカレーが一番!!」
前に勇者達が無視して魔物に占領された国を救った際に手に入れたスパイス「タクコ」を使ったカレーが疲れた心も体に活力を与えてくれる。
勇者だけでなく竜騎士や格闘家も「こんな小さな国を救っても価値はない」と言っていたが、タクコカレーのおかげで疲弊していた国民は元気になり、自分達の手で国を取り戻すことができた。
「おっと、このランプどうしたらいいんだ?」
沈没船の中で見つけた古いランプを眺める。昔地球でランプをこすって魔人に願いをかなえてくれるアニメがあったな~とイエローはつぶやいた。
「もし願いが叶うなら…元の世界に返るように頼もうかな~~なんて」
元の世界にいる仲間の事も気になるけど、どうせ怪人どもと戦わいしかないしなぁ…とランプをこすり、煙が噴き出す。
「う、うぉぉぉ!? ま、まさか、爆発すんのかぁ?」
ランプを放りだし距離を取る。煙が広がりると、褐色肌の少女が姿を現した。
「あなたが今度のご主人様ですね? 私はランプの精…あなたの願いを一つだけなんでも叶えます」
「え、あ、願い? 」
白い布に金の装飾をした神秘的な少女を見てイエローは。
ぐぅぅ~~
いや。イエローの腹の音が代わりに答えた。
褐色の少女は何とも言えない表所をし、イエローの苦笑いしながら
「とりあえず、カレー…一緒に食うか?」
皿を二枚出し、カレーをつぐのであった。