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91.踏破者、移動手段を確保する。

終焉の息吹(メギド・ブレス)を使用するとかざした手の先に人の大きさ位の魔法陣が出現する。


なるほど名前はブレスだが魔法の一種と言うのはこう言う事か。

確かにこれなら人が使う場合でも絵面を気にする必要はなさそうだ。

あとはどんな威力が…。


のんきに考察が出来たのはここまでだった。

魔法陣から黒色の光線とも呼べるようなものが飛び出す。

凄まじい熱量と直進性をもったその光線が岩石に当たる。


瞬間、俺の視界は黒色の爆炎で埋め尽くされる。

覚えているのはそこまでだった。






眼を開くとそこには心配そうな顔のシファがいた。

その背後にはバハムートの姿も。


徐々に意識がはっきりとしてくる。

俺は今シファに膝枕をされて寝かされている状態のようだ。

自分の体を見ると全裸だった。


なんで?


『ふむ、何とか助かって良かったな。説明も聞かずに【終焉の息吹(メギド・ブレス)】を使うとはの。』


バハムートの言葉でなぜ自分がこんな状態になっているのかが分かった。


上半身を起こして座り、辺りを確認する。

少し離れた所にすり鉢状にえぐれた地面が見える。

えぐれている面の直径は100mを越えているだろうか。

良く見ると地面はえぐれているというより溶解していると言った様相だ。

その周りの地面も真っ黒に焦げた様になっている。


『【終焉の息吹(メギド・ブレス)】は熱線を放ち、直撃したところを中心に大爆発を引き起こすというものだ。一カ所に威力を集中させることもできるし、薙ぎ払うように放てば広範囲を焼き払う事も出来る。』


「つまり、俺は至近距離で爆発を引き起こしたと。自爆だな。」


しかし服が無くなっているという事は竜人化(ドラゴンフォーゼ)に鉄壁を併用した防御を貫いたということだ。

凄まじい威力だな。


だが、服を着せるかなにか布をかぶせるかはしてくれてもいいんじゃないだろうか。


「私達からすると竜人になったジークが一瞬で姿を消したかと思ったら、遠くの大岩がなんか吹き飛んで、そのあと大爆発したって感じで、全く状況についていててなかったんだよ。その爆発で何かが吹き飛ばされたように見えて、駆け寄ったら大火傷したジークだった。」


「そうか、それでシファが回復してくれたのか。助かった。ありがとう。」


だが、服を着せるかなにか布をかぶせるかはしてくれてもいいんじゃないだろうか。


『儂もあんな威力の【終焉の息吹(メギド・ブレス)】は見たことがない。使いどころは気をつけねば二次被害が恐いな。』


「ああ、身に染みたよ。気を付けよう。」


俺は立ち上がり、体を動かして異常がないかを確認していく。


うん、問題なさそうだ。


「私の回復魔法なら欠損も修復できるから。何も異常なくて当然ね。」


シファが胸を張る。


いや、ある意味凄い異常あるんだけどな。

服を着せるかなにか布をかぶせるかはしてくれてもいいんじゃないだろうか!?


俺は大きく息を吐く。


「一旦拠点に戻るか。実験を続けるのにもこの状態じゃ気合が入らん。シファ、衣類何かストックないか?鎧とかでも最悪大丈夫だ。」


「ローブならあるよ?」


そう言ってシファは異空間収納からローブを取り出して手渡してくる。


あるのかよ!?

着せとくなりかけておくなりしといてくれよ!?


ローブを着てとりあえずの体裁を保つ。


「…実験を続けるってどういう意味?」


ローブを着終わるのを待ってたのか、シファがそんなことを聞いてくる。

その顔は何というか軽蔑するものを見るようなものになっている。


「…ミカエルのあとバハムートが出て来ただろ?次に同じ召喚を行ったら何が出てくるか確認しないと。もしかしたら法則の一端が掴めるかもしれない。」


シファはその答えをある程度予想していたのか、特に驚いたようにも見えない。

どころかまるでゴミ屑を見るような視線を強くする。


「私たちの目的ってなんだったっけ?」


「ん?神殺しってことか?だから召喚魔法がその神様と戦うために使えるんじゃないかっていう…」


「もっと短期的なやつよ。移動手段の確保でしょう?」


「あ。」


天使殺しが楽しすぎて忘れてしまっていたな。

竜人化(ドラゴンフォーゼ)】と【終焉の息吹(メギド・ブレス)】を手に入れてからは早くそれを戦闘で使ってみたいという思いさえあった。


俺はバハムートを見やる。

3~4人くらいはゆうに乗せて飛ぶことが出来そうだ。

確かに、当初の目的は達成されたと言っていいかもしれない。


いや待てよ?

仮にも王と言われる存在が移動手段扱いされるのは嫌がるんじゃないか?

いや、そうに違いない。

つまり、俺たちはやはり【有翼獅子(グリフォン)】の召喚に成功しないといけないんじゃないか?


「バハムート、かくかくしかじかで乗せて行ってほしい。」


『ふむ、良いぞ。』


「良いのかよ!?」


王のプライドはどうした!?

しかもかくかくしかじかで伝わったのか!?


『お主が寝ている間にお嬢から話は聞いておる。儂としては移動手段であっても断る理由はないの。』


「ふふふ、ジークの考えそうなことは手に取るようにわかるわ。諦めて魔境に行くわよ。」


勝ち誇ったシファの顔を見るとぶん殴りたくなる。

いや、流石にしないけど。


「わかったよ。でも一旦拠点には戻るぞ。着替えはしたい。バハムート、また呼び出すからいったん戻っておいてくれ。」


『分かった。』


そう言うとバハムートの体が白い煙に戻り、霧散する。


今回の実験はここまでだな。また落ち着いたら必ず続けよう。


俺はそう決意し拠点へ戻るべく歩き始めた。

メギドって地名なんですよね…。

いろんなゲームで出てきますし、語呂が強そうなのでスキル名に使用しちゃいましたが。

よくよく考えると何のこっちゃって感じです。

もう少し読んでみてもいいと思っていただけましたら評価、ブックマークよろしくお願いします!!

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