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28.踏破者、事情を説明する。

「これは隊長さん。おはようございます。」


シファに【遮音(サウンドカット)】の解除を指示し、普通に返事を返す。


「ご無事のようで何よりです。あの後我々もこの町までたどり着き何とか休めました。」


「それは良かった。護衛の任を途中で投げ出すような形になってしまったので気にはなっていたんです。」


「我々の主も襲撃時こそ取り乱しておりましたがその後平静を保つところまで回復しております。そして我々を救っていただいた皆様がこの町に訪れた際にはお礼をしたいと申しております。」


そういう護衛隊隊長の視線が俺の後ろへと向く。


「ですが、先に事情をお聞かせ願えませんか?まさか襲撃犯と共にいるとは思っていませんでしたので。」


やっぱり分かるよな。

あんだけ堂々と顔をさらしてしまっていたからな。

とは言え、コソコソ隠れる気も最初からない。


「わかりました。ですが場所を変えましょうか。我々の部屋へ来ていただけますか?」


「はい。」




◇◇◇◇◇




「なるほど、そしてジーク様がこの3人の身請けをしたと…。事情は分かりました。」


「納得してくれるんだね。王女さまに近づくために自作自演してる可能性もあるけど?」


「それはないでしょう。暗殺が目的ならあのまま襲わせておけば目的は達成できたでしょうし、何かの目的があって王女に近づくことが目的であったなら、この町で襲撃者と一緒に居るはずがありません。」


「なんか文官っぽい言い回しだなぁ。」


「はは、よく言われます。…ですが気になることも。呪印はどうされたのですか?そのままでは刺客が送られてきてしまうでしょう?」


「…少し手荒な手を使いました。シファ、あれ出して?」


話を振られたシファが異空間収納からあるものを取りだす。

それは、肩から先の切断された人の腕だった。

その腕にはひじから先に呪印が彫り込まれている。


「っ!?」


「…魔力で印を張り付けるタイプのものではなく、直接皮膚に刻むタイプのものだったので切断しました。」


「し、しかしそれでは腕は…!?」


護衛隊隊長がシルバを見る。

彼の腕は確かにそこにある。


「うちには高位の回復術が使えるものが居ますから。時間はかかりますが治しました。」


見るとシファが得意げな顔をしていた。

なんかうぜぇな。


「あの雷魔法も凄まじいものがありましたが、欠損も治せるレベルの回復術も使用できるのですか…。」


逆に護衛隊隊長の顔は若干引きつっている。


「失礼しました。それで私はジーク様とシファ様を我が主の所へと招待するよう仰せつかっているのですが、…シルバ殿達もという流れでしょうか?」


「そうお願いしたいです。」


「…そして王女殿下にシルバ殿の免責を直談判されると?」


「やっぱり文官っぽいね」


俺は苦笑する。

護衛隊隊長も少し笑っている。


「我が主は聡明なお方です。もちろん今回の襲撃もフレンブリード辺境伯家の差し金であるとは気づいています。訴求するだけの証拠はないだろうことも。大元を叩く案があるのであれば我々もお聞きしたいと思っております。」


「では全員で伺います。」


「その前に宜しいでしょうか。」


ここまで発言を控えていたであろうシルバが声をあげた。

皆の視線がシルバに集まる中、シルバは深く頭を下げた。


「今回の件、お仲間の命を奪ったことを謝罪させてください。謝ってすむ話ではありませんが、それでも…。」


護衛隊隊長はシルバの前へ行くとその肩に手をかける。


「顔をあげて下さい。実行犯に罪はないとは言いませんが、我々とて主人が狂命を発すれば従うしかない立場の人間です。気持ちはわかる。心情的に思うところがないわけではありませんが。少なくとも私にはあなたを責めるつもりはありません。死んでしまった仲間達も同じだと思います。」


「…っ。」


「それに、あなたにはまだやってもらう事があるでしょう?罪滅ぼしをというのであればフレンブリード辺境伯の凶行を止めるために力を貸してください。」


「…っ!!死力を尽くすことをお約束します!!」


顔をあげたシルバの瞳には光が灯っていた。


「あ、もう一つ事前にお話ししておかねばならないことがあるのでした…。」


一転、ばつの悪そうな表情を見せる護衛隊隊長。

少し言いにくそうにしながら話し出す。


「実は我が主なのですが、窮地を助けていただいたあなた方への感謝の気持ちが非常に強く…。いえ、まどろっこしい言い方はやめましょう。端的に言うと惚れられてしまっているのです。」


え、何その話。

シルバの話の後でそんな話するの???

空気読んでよ隊長さん!!


「次にお会い出来たら求婚するとまで言われているのです。ですが王女という身分に加え、父君である王に話が通っているわけでもありません。先の事はわかりませんが、この場は節度を持った対応をしていただければと思います。」


しかし、王女に惚れられるとは…。

これは吊り橋効果だろうか?貴族だのなんだのとは関係ない生活を目指している俺からしたら厄介な話だな…。


「無理を言いますがよろしくお願いします。…シファさん。」


「そっちかよ。」

そういうこともあります。

もう少し読んでみてもいいと思っていただけましたら評価、ブックマークよろしくお願いします!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんか随分と活発で強引そうな王女だけど、 だったら襲撃された際に馬車から出てきそうだよね
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