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172/218

172.踏破者、十二神将を召喚する。

城塞都市モールドより北にある平原に移動する。


「ここらで良いだろう。」


そう言って俺はシュラを腰から外すと宙に放る。

シュラは空中で本来の姿へ戻ると大きな音を立てて着地する。


『…言い出したのは我なのだが、本当にやるのか?』


「俺の事を気遣っているのか?まぁ、手に負えない連中で殺されるようなことがあったら、俺もその程度だったってことだ。」


『いや、其方の心配は全くしておらん。』


三つある顔を横に振るシュラ。

右を向いても左を見ても正面を向いている顔があるって面白いな。


『神族とは言え其方が手こずるような連中ではない。むしろ、これから起こるであろう奴らの虐殺劇に気の毒になっておるのだ。』


「おいおい、十二神将なんて大層な名で呼ばれるような連中が弱いわけないだろう?」


『確かに神族全体で見ても強い方の部類には入ると思うが…其方と比べるとのぅ…。』


「性懲りもなくトンデモ召喚をするつもりみたいだけど、目的の十二神将を呼び出せる算段はあるの?」


そう聞いてくるのはシファだ。

今日の催しについてくるか真剣に迷っていたようだが、最終的にはついて来ている。

本人は怖いもの見たさ、とか見えない所で変なものを呼び出されているよりかは目の届くところの方が、とかぶつぶつ言っていた。


「残念ながら、そこそこ召喚成功する可能性は高いと思うぞ。」


そう言って俺はステータスを確認する。


<><><><><><><><><><><><><><><><>

ジーク

種族:人族

才能:なし

年齢:17


スキル:剛力Lv.MAX. 空歩Lv.MAX. 鉄壁Lv.MAX. 縮地Lv.MAX.

重力魔法Lv.MAX. 再生Lv.MAX. 闇魔法Lv.MAX. 眷属化Lv.MAX.

召喚魔法Lv.5 竜人化Lv.2 終焉の息吹Lv.2 

<><><><><><><><><><><><><><><><>


久し振りに確認したが、召喚魔法レベルが順調に上がっている。

剛腕や鉄壁なんかはスキルレベルを上げるのに相当時間が掛かっているはずなのだが、召喚魔法はレベルの上りが早いようだ。


前回スレイプニールの召喚に成功したのはこの辺りも影響していそうだ。


「良いけど、神族と戦いからって召喚失敗することを期待しないでよ?」


「大丈夫だ、今回は召喚成功しても戦う事にはなるだろうからな。じゃあ始めるか。」


『うむ、我の系列の神族を呼び出すときはこの魔法陣を使うと良い。』


そう言ってシュラが地に魔法陣を掘っていく。

これまで見たことのない独特の型をしている。


『我ら鬼神は使役されると式神とも呼ばれるようになる。この魔法陣は式神召喚用のものじゃな。』


俺はその魔法陣をまじまじと見つめる。


「神様も系列が違うと文化が違うんだな。」


『後は其方の力・思いが連中を呼ぶに足るかと言う所じゃな。』


「ああ、早速やってみよう。」


そう言っても俺は魔法陣に手をかざす。

視界の端でシファが岩陰に隠れるのが見えたが放って置こう。


魔法陣に集中し、魔力を注ぎ込む。

十二神将を呼び出すにはこれまで以上の魔力を使う必要があるだろう。

なんたって12人も居る(・・・・・)んだからな。


『な、何じゃこの魔力量は!?其方!?もう聞こえておらぬか!?』


シュラが何か言っているがそこに意識を割く余裕はない。

なにせ魔法陣がぜい弱で、魔力を押し込める力を緩めると魔法陣から溢れて霧散するような感覚がある。

このくらいで良いか?


「召喚!!」


俺が術式を発動させると、おびただしい量の黒煙が魔法陣から噴き出す。

そしてその黒煙が12人の鬼神となる。


呼び出された側の鬼神はきょろきょろと周囲を見渡している。


『信じられん…十二神将を全員一度に(・・・・・)呼び出すとは…。』


『阿修羅王か?貴様しばらく見ないと思っていたが…ここはどこだ?』


十二神将の一人がシュラに気付いて問いかける。


『ここは現世(うつしよ)じゃ。貴様らは我が主により召喚されたのじゃ。』


『なんだと?』


そう言って鬼神の一人が俺の方を向く。


『貴様が我らを呼び出したというのか?見た所人族のようだが…高名な陰陽師か?』


「おんみょうじ?それは知らんが、呼び出したのは俺だ。」


因陀羅(インダラ)よ、先に言っておくが我が主は…』


『貴様は黙っておれ。話は直接つける。人の子よ。其方が我らを呼び出した目的はなんぞ?』


「貴様らを配下に加えるためだ。」


『ふむ、使役が目的と言う事で問題なさそうだな。契約に其方は何を差し出す?』


「差し出す?」


『人族が我らを使役するのだ。より強い鬼神の力を得るために代償が必要なのは必然だろう?』


横目にシュラを見るとシュラは頭を抱えて首を横に振っていた。


「…勘違いしているようだからもう一度言うが、俺の目的は貴様らを配下に加えることだ。」


もう一度説明するも因陀羅(インダラ)と呼ばれた鬼神は意味を理解できないでいるようだ。


『阿修羅王よ、こ奴は何を言っているのだ?』


シュラは大きく息を吐き出す。

ため息だ。


因陀羅(インダラ)よ、我が主の言っている通りだ。我が主は十二神将全員を配下に加えようとしている。…そして我が主の強さは貴様らをゆうに凌駕している。口の利き方には気を付けた方が良いぞ。』


そう言われた因陀羅(インダラ)はきょとんとしていたが、次第に笑い出す。


『面白い。人族が一人で何ができるのか見せてもらおう。阿修羅王の言が真実か確かめさせてもらうぞ!!』


「いいだろう。俺もお前らの強さを確認しておきたいしな。」


戦闘態勢に入った因陀羅(インダラ)に対し、俺も構えを取った。

シュラさんのお友達登場です。

だいたいこの後どうなるかはご想像の通りでしょう。

気持ちを楽に続きをお読みください。

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